スリーデイズ・ウォー

シャドウランの本日セッション無事終了。割と最後にシナリオをボツにして書き直したり準備が若干不安だったが、それなりに各PCの美味しいところを演出できたシナリオだったと思う。

PC1:戸次千尋/元刑事の探偵
もう成人した子供もいるオッサン。卓越した交渉とエッジ8を生かして活躍。
アーキータイプのラッキーガンマンを使用。

PC2:ラリー/AIリガー
生まれて半年のAIリガー。本体はスティールリンクス戦闘ドローンで、シアワセのアイドルが表向きのボディという割と愉快なランナー...なの?(笑)
マシンガンの超火力で本日の主力打者。
アーキータイプのAIリガーを使用。

PC3:コニャック
アル中の霊感探偵。精霊を駆使し調査を助ける。
アーキータイプのオカルト探偵を使用

導入:レンラクのジョンソンからビズの事後報告を兼ねて打ち上げの食事会に誘われたPC2人は、かつてのレンラクアーコロジー、現在のACHEの商業地区にあるレストランに招かれる。
2人が依頼で受けていたのは盗み出されたレッドサムライのドローンを捕獲する仕事だった。

盗み出されたと思しきドローンは確保・破壊されたが、実は自我を持つAIとして覚醒しているラリーは既に本体を乗り換え逃亡済み。探偵である戸次のメイドロボとして何食わぬ顔で食事会に出席する。

天然素材をふんだんに使った食事で宴も闌の頃、ジョンソンのコムリンクに着信が入る。
妙に長い時間が過ぎた後、彼らは振動と爆音、そして論理生命体のラリーはACHE内の騒乱を知覚する。
何が起きたと顔を見合わせる2人と1機だが、戻ってきたジョンソンの顔色も真っ青。
「ASAP(可能な限り早く)の仕事だ。上階の監獄に監禁されていたテロリストが脱走した。奴を追ってくれ」
テロリストの通称はスキュラ。デウスの洗礼を受けたotakuの一人でテクノマンサーの能力を持ち、「冬の夜(Winternight)」の関連メンバーとして国際手配されていた。数年前に発生したボストンのロックダウンにも関わっていたが、レンラクにより捕獲されいていたのだ。
元レンラクアーコロジー、元ACHEの中層は現在政治犯・犯罪者たちの監獄兼下層民の収監所となっている。ブラックヘイブン(元)市長の気に障る連中が、「入れば生きていけるが出られない」という最悪の評判の場所だ。
スキュラは爆破により閉鎖地区を破壊し、大規模な暴動が同時発生していた。
(ここからオリ設定)
中層はアレス系列のナイトエラントが治安維持を行い、1〜5階の商業地区はレンラクが自社区画にレッドサムライを配置。地下に存在する核融合発電炉はUCASの州兵が常勤と政治的には厄介極まる場所。レンラクはスキュラの確保に焦るが、兵力を投入すると戦争になりかねない。
レンラク治安維持委託協力者の承認を貰い、とりあえず銃を携帯しても撃たれないが見過ごしもされないという微妙な立場でPCたちは上層へと向かう。当然怪しむKEの兵士だが、戸次の弁舌爽やかな(エッジ投入の)説得で閉鎖したドアを開けチームを上へと通す。マトリックス・アストラルからの操作開始
ラリーはマトリックス捜索で上層からエレベーターで降りるスキュラとその協力者を確認。コニャックのエアエレメンタルにより場所は特定されるが、不意打ちにエレベーター内部の脱走者たちを襲ったにもかかわらず悪臭の吐息はハズレ。その後リンクが切断され、破壊されたと判断。
戸次はKEの警備兵から地図を確保、スキュラの後を追うが周囲は暴徒たちが大騒ぎ、警備兵は非殺傷ながらゲル弾からテーザーまでばらまかれる状況で危険すぎる。精霊の守護パワーで事故を防ぎながら追跡を進めるが、隠し通路と思われる壁の奥にスキュラたちは消える。
かつて閉鎖されたアーコロジーを解放すべく戦った者たちは、オーク・アンダーグラウンドからの進入路を使ったことを思い出した一行は、馴染みのフィクサーに依頼し地階への進入路を教えてもらう。主力のスティールリンクスを動かすために、ラリーはジョンソンに依頼し武装バンを移動させてもらう。
アンダーグラウンドの許可も取り付け、リガー・コクーンにアストラル投射したコニャックを放り込み地下道を疾走するラリーの多脚ドローン。そもそも複数乗れる構造ではないため必死で走って追いかけた戸次は途中でたまたま気の良いオークのアンチャンに小銭を払い、バイクのニケツで追いかける。
途中の通路で立ちはだかったのは4人の明らかに異常な目つきの男たち。警備兵の服を剥ぎ取ったと思われる彼らは、雑多な武器でPCたちを襲う。
火力そのものはさほどでもないものの、突然サイバー攻撃を受けて驚く一行。男たちはCFDに感染したヘッドケースとしてAIの特異能力を保持していた。
4人を射殺したが本命には逃げられる。しかし監視カメラの残り映像には、救急車に偽装した車へ乗り込むテロリストたち、巨大な人型に抱えられた死体袋入りの何かが映っていた。
その後ジョンソンから馴染みのダイニングへ呼び出されたチームは、テロの裏側で強奪されたものについて知らされる。
>>>オリ設定注意<<<
テロで強奪されたのは、当時ほぼ赤子だった一人の少女。デウスの戯れで「製作」された、アーコロジーの全てのマスターキーとなる存在だった。
ユエ(故)と名付けられた少女は未だ封印されている多くの扉を開く生きた鍵となりうるレンラクの極秘存在だった。
彼女の姉と名乗るレッドサムライの将校、アカツキ=トモエから奪還を懇願されたチームは提示された金額に割とご機嫌で仕事を受ける。ただし期限は3日、刻限をすぎると日本の本社が本格的な軍事力投入で間違いなくシアトルは大騒動、最悪戦争になるだろう。
空路と陸路はナイトエラントがテロリストを追って封鎖済み。アンダーグラウンドの情報から、スキュラとユエはアストラル・マトリックスから隔離されるケージに入って逃げたと推測される。ただしずっと入っていられるものでもないため、いつか捜索には捕まるはずだが、遅れてしまえば間に合わない。
各種のツテ、精霊や電脳の捜索からタコマの港湾地区が本命と当たりをつけたチームだが、そこはハロウィーナーという凶悪なギャングの支配下。無断でドンパチすれば余計な面倒に巻き込まれる。
さらに追加でラリーの記憶に、監視カメラ写真の巨人が引っかかる。ドイツのネオネットから強奪された
最新鋭の人型戦闘ドローン、ジャガーノートだった。1ヶ月前にドイツで強奪され、イスタンブールで一度確認された後に行方不明になったそれが、シアトルに秘密裏に持ち込まれていた。
能力を知るラリーがビビりまくるが、ハロウィーナーのボスは大喜びで手を叩く。
「戦闘ロボ対多脚砲台だと!?」
徹底的に派手にやれ、半端は許さない、何なら俺達で実況中継してやるよとノリノリでOKされて逆に引く一行。
装備を整えるために一度アジトに戻ったチームに、唐突にネオネットの旧知のジョンソンから通信が入る。
ダウンタウンのバーに呼び出されたPCたちは、ジョンソンから盗難された
ジャガーノートの保護を依頼される。
現在ネオネットはボストンの混乱で上層部は麻痺状態、これ以上のスキャンダルは会社の存亡にも関わると言うことで、秘密裏に仕込まれたキルスイッチの提供と引き換えに「無傷で確保すること」が条件。
まぁ止めてくれるならいいよと安請け合い、これはその後愉快
な展開になる。
ドローンと精霊、レンラクからの支援によりテロリストが潜む倉庫は特定された。ドローンラックから出撃するスティールリンクスのセンサーが、倉庫上空に飛ぶ武装ドローンを捉える。
正面の鉄扉の突破は困難と判断、倉庫の裏口へ走る戸次とコニャック。
精霊の支援も受けて裏口のドアノブを撃ち抜くが、テロリスト一団の反撃を受ける。
1ラウンドで3体の飛行ドローンを落としたラリーは武装SUVとともに待機。テロリストたちはジャガーノートに強化装甲を施し、さらにリガーコクーンを装備した上で標的のユエを載せていた。
激しい銃撃戦が開始、戸次はテロリストから猛烈な反撃を受けるがエッジ8の追加ダイスを受けてギリギリかすり傷で耐える。攻撃呪文はコニャックがカウンタースペルで防御。
扉を爆破し戦闘ロボを載せたまま脱走しようとするテロリストのトレーラーは、ラリーのリンクスとSUVに制止される。
トヨタ・ゴファーの機関銃がトレーラーに大穴を開け、リンクスの対物ライフルが完全に破壊するが、テロリスト側からの電脳攻撃でリンクスは焼損寸前。慌ててジャックアウトするラリー、半分メインチップを焼かれたリンクスは自動操縦に切り替わりテロリストにトドメを刺そうと疾走。
勝敗を決めたのはPC側の精霊による攻撃。人の精霊の格闘戦がスキュラのダメージトラックを削りきり、レンラクから応援に送られた炎の精霊が敵のシャーマンを消し炭に変えた。
起動しかけていたジャガーノートはネオネットからの停止コードで起動停止。その後3秒で人質を解放したチームメンバーは
気絶したスキュラとユエを確保、あとは一目散にレンラクの治安部隊へと走る。
現地はすぐにナイトエラント、レッドサムライ、ネオネット部隊、ハロウィーナーが睨み合う素敵空間に。
首尾よく逃げ出した一行はレンラクのジョンソンへ問題のブツと少女を引き渡し任務完了。
結局ネオネットはギャングの面白半分の暴露により最新戦闘ドローンを盗難されたことが明るみに出て大恥。ナイトエラントはテロリストを先にレンラクに確保されたことで面目丸つぶれと、それ以外の各方面がいい笑顔になりそうな一連の事件は終了した。
ユエは数年ぶりに生身で姉と出会えたことに感謝しながらACHEの牢獄へと戻った。同時に盗まれたパンドラの箱はかつてデウスが作り出されたソースコードの一部が収められていたもの。テロリストたちはそこから作り出したウィルスをシアトルのスペース・ニードルからばら撒くことで
ボストンロックダウンの再来を狙っていたという話を後に一行は聞かされる。

報酬は弾まれたが3日間、ほとんどダウンタウンからタコマまで各方面を走り回されたことにコニャックが一言

「打ち上げパーティはもうあそこ(アーコロジー)では無しにしてくれよ!」

でセッション終了。
まぁマスターやってて

「NOVAでやれ」

と自分に言うような話でしたがたまにはいいよね、という。

「レンラクがツテで仕入れてくれる、重火器使ってもいいよ」
「笑えるくらい派手にやれ!」

と言われるようなシャドウランはあまりなかったのではなかろうか。
「スリーデイズ・ウォー」

 本当に3日間ほとんどシアトル中央を走り回るような話でしたとさ。
 理想的にいかなければ、スペース・ニードルの直前、ダウンタウンど真ん中で多脚砲台と大型戦闘ロボが肉弾戦する割と素敵な光景が見られたかもしれないのが残念というか良かったと言うか。
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