企業法廷

先にシアトルガイドをまとめるべきなのは理解しているのですが、第六世界の支配者たるビッグ10とその裏付けとなる企業法廷についての解説を書きたい欲求が高まったので自分の欲望に忠実に生きることにします。
ひとまず、企業法廷の成り立ちと変遷を記載していきます。
2023年に企業法廷が成立したのは単純な理由でした。メガコーポ同士の全面戦争の回避が目的だったのです。
さて、最初に企業法廷を立ち上げたのは以下の7社でした。それはアレス、ORO、BMW、JRJインターナショナル、ケルパインターナショナル、ミツハマ、シアワセでした。彼らは法廷の席を得るための“ゴールデンチケット”を得たと言われました。
この企業法廷とは何なのでしょうか。
まず、企業法廷に所属できるのは企業ランクがA、AA、AAAの3ランクの企業のみです。
このうちAランクは治外法権こそ持ちませんが、多国籍企業であり複数の国家の法域に跨がります。彼らの権利を守りつつ、既得権である治外法権を乱用する企業に制裁を加えるために存在するのです。
この制裁の決定を行う企業法廷の判事は13人でAAA企業より選出されます。
内訳は企業間の影響力により決まります。
2061年の判事はゼーダークルップ、アレス、アズテクが2名、他が1名ずつです。 企業法廷の制裁手段はいつかあります。
企業法廷の議決権を持つと言うことはチューリッヒ軌道銀行の議決権を持つことでもあります。
これにより経済封鎖などにより経済制裁を加える事ができます。
ちょっとした武力行使であれば企業法廷の有する精鋭部隊の投入により事足ります。
これらでは対応できない場合に発動されるのがオメガオーダーであり、これは企業法廷に所属するメガコーポに動員をかけ何でもありで対象を叩き潰すものです。歴史上数回しか発動はしていません。
更に現在マトリックスにおいて忌み嫌われるグリッド管理局は企業法廷の下部組織であり、マトリックスにおいて神のごとき権限を保持しています。
では、以下年表形式で企業法廷の変遷を記載しておきます。

2010年ケルパインターナショナルとBMWが企業間戦争を行い互いに多大な損害を出す。
これを受けて企業間戦争に関するルール作りの必要性が痛感されます。
彼らの目的は商売により利益をあげることであり戦争は利益としてはあまり望ましくないためです。
そして、国連を参考にビッグ7(アレス、ORO、BMW、JRJインターナショナル、ケルパインターナショナル、ミツハマ、シアワセ)は企業内法廷(ICC)を成立します。
2013年ケルバとOROは企業内法廷の調停を歯牙にもかけず抗争に突入します。
各企業はこの失敗に諦めずCEOやその代理人達による会合の場を設け意志の取りまとめを進めます。
2022年OROがアズテクノロジーに改名する。
2023年企業内法廷は企業法廷となり実効性を持つ支配機構となります。
2029年クラッシュによりケルパーインターナショナルの創業者が死亡。これにより勢力を失ったケルパーを姉木稲造が買収し社名をレンラクコンピューターシステムに改名し本社を千葉に移転する。
2033年JRJインターナショナルが渕に買収され、企業法廷の席を渕社が得る。
2037年BMWがゼーダークルップに改名する。
2042年山徹は対日本企業戦線に加わる形で企業法廷に加わります。
2044年企業法廷は最初のオメガオーダーを発動します。対象はビッグ10の一角アズテクノロジー。
これはアズトロン/アズテクノロジーが再三の警告にも関わらず国内の外国企業の国営化を宣言したため。
2059年五行公子が企業法廷の議席を得る。
渕がレンラクを機密情報の奪取の容疑で提訴。これをきっかけに渕社が崩壊し、その企業法廷の議席はJRJインターナショナルを継承したノバテックが引き継ぐ。
2060年クロス応用技術が企業法廷に議席を得る。
2061年レンラクシャットダウンを受けて企業法廷マトリックス局にグリッド監視局が成立される。。
2064年クロス応用技術が崩壊し結果的に企業法廷の議席を失う。
二度目のオメガオーダー発動。アート・ダンクワルザーが殺害される。
ダンクワルザーはダンケルザーンの遺産として膨大な現金を贈られていました。
彼はこれを元手に反ヴェイラー同盟とでも呼ぶようなネットワークを構築しチャード・ヴェイラーに挑み、防衛設備ごと軌道からの大質量兵器トールの雷撃により殺害される。
クラッシュ2.0を受け形骸化していた企業法廷マトリックス局をテコ入れし攻性の組織へと改革を行う。これにより下部の実働部隊であるグリッド管理局もより攻性の組織となる。
彼らはクラッシュ3.0が発生することを阻止するためにより安全で安定したマトリックス構築を目指す。
そのために外部のマトリックスセキュリティーコンサルタントであるダニエラ・デ・ラ・マーを招聘する。
2065年ホライゾングループが企業法廷に議席を得る。
ノバテックがトランシスニューロネットとエリカと合併しネオネットを成立。企業法廷の議席はノバテックからネオネットに引き継がれる。
2074年12月企業法廷の開発したマトリックスの新型セキュリティープロトコルがダニエラ・デ・ラ・マーより発表される。
これによりグリッド管理局はまさにマトリックスの神のごとき絶対的権限を手に入れる。
この開発にはミツハマ、ネオネット、EVOが主に関係していたようです。
ダニエラが新プロトコルを敷衍するために積極的に活動する中、後のCFDスキャンダルに繋がる事件が起きます。
イーボのディッキンソンプログラムが企業法廷の裁判官の日野の取り込みを目指すが、日野はアズテクノロジーへと急接近する。
これに危機感を感じたイーボは日野を監禁し電子コピー化した日野に裁判官業務を遂行させた。
これはイーボのキリレンコ社長が気づいたことにより発覚する。キリレンコは内々に片付けようとしたがとあるランナーチームによりこの不正は白日の下にさらされることになります。
これによりAAAの専横に怒りを感じていたAAおよびAクラスメガコーポが連名で企業法廷内部の公平化を要求し泥沼の利益の奪いあいに進展します。
また、不完全ながらメタヒューマンの電子コピーを取れる事実はこの先のCFDの責任追求において重要な先鞭となります。
2078年UCASは企業法廷においてボストンロックダウンの賠償請求を行います。
この対象はネオネット、イーボ、アズテクノロジーの三社。
企業法廷はネオネットの開発担当取締役のグレートドラゴンセレディから提供されたモナドナナイト(ボストンロックダウンを引き起こしたCFD類似ナナイト)の上書きプログラムとそれによるCFD治療薬の開発により対応を行う。
この治療薬は各企業に提供され、企業のクリニックで提供が可能になる。
訴訟によりネオネットの企業体存続が不可能と判断したリチャード・ヴェイラーはJRJインターナショナルをスピンラッドに売却する。
これにより企業法廷の席はネオネッからスピンラッドに移管される。

参考文献

また、主な参考文献は以下となります。

Shadowrun: Corporate Shadowfiles
シャドウラン2版時代の企業サプリ。
ビッグ8、企業法廷、企業戦争についての解説などがある。
当時のビッグ8はアズテク、アレス、渕、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、ヤマテツ

Shadowrun: Blood in the Boardroom
2版から3版に上がる際の企業闘争を扱ったキャンペーンサプリ。
渕内乱、クロス成立、五行成立、レンラクシャットダウン前日譚などがキャンペーンプロット形式である。
あわせて、各社の歴史も解説されている。

Shadowrun: Corporate Download
3版時代の企業サプリ。
ビッグ10、企業法廷、各社特殊部隊などの解説がある。
当時のビッグ10はアズテク、アレス、ノバテック、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、ヤマテツ、五行公司、クロス応用技術

Shadowrun: Corporate Guide
4版時代の企業紹介サプリ。
ビッグ10、企業法廷、とある社員の日常、AAコーポの紹介などがある。
当時のビッグ10はアズテク、アレス、ネオネット、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、EVO、五行公司、ホライゾン

Shadowrun: Market Panic
5版時代の企業紹介サプリ。
ビッグ10、企業法廷、の紹介などがある。
とはいえキャンペンブックと言う扱いのため、これまでからどう変化しどのような事件に巻き込まれるかを紹介したサプリに近い
当時のビッグ10はアズテク、アレス、ネオネット、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、EVO、五行公司、ホライゾン

Shadowrun: Corporate Intrigue
4版時代の企業の陰謀にまつわるキャンペーンフックを扱ったサプリ。
CFDと深い関係にあるプロジェクトイマーゴに関しての紹介やアレスの不良バトルライフルエクスカリバー騒動が大事になった原因のシナリオなどがある。

Shadowrun: Montreal 2074
クロス崩壊後のケベック共和国とモントリオールを扱ったサプリ。
フォールンの解説などはここにある。

Shadowrun: Dark Terrors
5版時代の世界の脅威のアップデートを扱ったサプリ。
この中でネオネットの解散とスピンラッドへの企業法廷議席移譲にまつわる話がある。