ナイトエラント警備保障について知りたいと要望を受けましたので少し勉強がてら調べて見ることにしました。 そもそも、第六世界の警察と言う話も含めてまとめてみたいと思います。 ご注意いただきたいのは、以下はあくまでも私の個人的な見解でありオフィシャル見解ではありません。オフィシャルではこうだよなどありましたらご指摘いただけると幸いです。 1.警察 基本的に第六世界において警察は民営化されています。 凶悪化していく犯罪にたいして対抗するだけの装備や人員を国家が維持できなくなったという形です。 80年代に流行ったインフラを民営化すれば安くなる上にサービスが良くなるという信仰を反映した世界観なんだろうなとは思いますが(現実はそうでもない)。 とは言え、第六世界においては組織の自浄作用は機能しており概ねうまく行っているようです。 まあ、それぐらい企業倫理(あるいは長期的な利益観)を持たないと世界は支配できないと言うことかもしれませんが。 何はともあれ第六世界の警察は現在と同程度に汚職にまみれ、市民権を持っていれば現在と同程度の質が維持されていると認識して良さそうです。 ちなみにこの民間警察の草分け的存在がローンスターセキュリティーサービスで一時は北米のシェアが60%を越え、北米では“警察”と言うとローンスターを思い浮かべるそうです。 2072年の記事でローンスターは交通機動隊を全てドローン化する計画があるとあったので世の流れなのでしょう。 さて一般警官の装備などに関しては一般的な警備員と同等で良いかと思われます。ただし、基本的にはツーマンセルで動き、パトカーにはアサルトライフル常備、異常事態には報告と防戦となります。 この基本ができてない警官から殉職しますので、トレーニングセンターでたたき込まれて(だいたい半年)現場に出てくることになります。 何せ人は生きていても死んでも金がかかります。それなら経験を積んだ相手が生きてる方が経済的です。 続いて精鋭部隊。SWATチームと緊急対策チームと言う部隊がおり共に精鋭部隊ですが役割が異なり結果仲が悪いようです。 なんにしろいわゆるランナーに対抗しうる装備と練度の精鋭化部隊です。 緊急対策チームは通報に対する初動を行う遊撃部隊と特定施設に張り付く部隊がいるようです。 個人的に運用する際にはPCクラスのメンバーをPCの倍程度の人数を用意するようにしています。 魔法使いはいたりいなかったりデッカー必須な感じでしょうか。 そしていわゆる特殊部隊である超精鋭化部隊となるとケースバイケースとなります。個人的には彼らと戦闘はあまりしないようにしています。 SWATは逆に立てこもり犯への狙撃など専門職特化の部隊のようです。 わかりやすいドンパチに出張ってはきませんが厄介度ではこちらのほうが上かもしれません。 2.ナイトエラント警備保障 さてさて、本題であるナイトエラントについて解説していきましょう。遍歴の騎士と言う名前が示すように単純な企業利益を追求する組織ではありません。 ナイトエラントのナイトはダブルミーニングであり、もう1つの意味はアレスのCEOであるダミアン・ナイトのことです。 このことからもナイトエラントがダミアン・ナイトの私設軍に近い存在であることがわかります。 その成立は2030年頃と思われます。 そんなナイトエラントですが、当初はアレス内部の精鋭化警備部隊として成立されました。 そして他社や国家の施設の警備を請け負う警備会社や警備軍事コンサルタントとして組織を成長させていきます。そして、一躍ナイトエラントの名を世に知らしめたのがシカゴの昆虫精霊にまつわる一連の事件でした。 この事件はFBI(つまりUCAS)との共同戦線を張っていますがアレスとUCASのどちらが主体で動いたのか不明な感じではあります。 その後のアレスのダンケルザーンとの同盟や執拗に昆虫精霊に挑む姿勢を見るとダンケルザーンがリークした情報を元にアレスがUCASを動かしたと見るのが自然でしょうか。 さて、そんなナイトエラントの特殊部隊として存在するのがファイアウォッチです。世界最大の軍需企業であるアレスの万全のサポートを受ける最強の軍隊の1つです。 彼らの為に開発され、その後市場に流通する商品もあるので試験部隊的な意味合いもあるかもしれません。 そんなファイアウォッチですが、基本的に6人程度の少数精鋭のチームで活動し、それぞれの専門分野を持って活動します。チームには必ず最低1人のリガー(デッカー)と魔法使いが所属しています。 魔法使いを含めアルファウェアよりも高いグレードのサイバーウェアを身につけており、ベータやデルタも珍しくありません。 魔法使いは最低でも第3階梯以上のイニシエイションを行っています。 また、アレスが英雄としてファイアウォッチを喧伝しているため一般にもその名はかなり浸透しています。 ナイトエラントにはファイアウォッチとは別にもう1つ特殊部隊を擁します。 ファイアウォッチが攻性の最強の剣とするなら、こちらは全てを見通す瞳です。 シカゴの騒動で後手に回らざるを得なかったことの反省を生かし成立された部隊で覚醒対応局と呼ばれる組織です。 ここでは魔法災害の兆候を探し、有事の際にはナイトエラントおよびファイアウォッチを動員するための組織と言えます。 さて、厨二心くすぐる話はここまでにして話を戻しましょう。 そんな精鋭警備会社が警察という一般警備を開始したのは最近のことです。 正確な時期は特定できませんでしたが2060年代後半のことと思われます。 このナイトエラントのCEOを長年努めているのがNANのスー国防衛軍出身のソアーリング・オウルと言う男性でダミアン・ナイトの操り人形と呼ばれています。 しかし、40年以上ナイトエラントを過不足なく運用してきていますので単なる人形ではなく優秀な実務家ではないかと思われます。 ところが、2072年オウルはナイトエラントを突然辞任します。 この時ナイトへの相談も行われなかったといわれています。 噂ではアレスの子会社であるアンリミテッドテクノロジー社で行われていた昆虫精霊のメタヒューマンへの応用実験の存在を知り怒りから退陣したといわれています。 ダミアン・ナイトはオウルの後任にローンスター警備保障の創業者であるクレイトン・ウイルソンを引き抜きナイトエラントのトップに据えます。 ナイトとウイルソンは互いに尊敬しあう仲であることと、ウイルソンが弟との争いに敗れて実権を失っていたのも無関係ではないでしょう。 この時からナイトエラントの警察部門は更に犯罪者に対して苛烈な組織となります。 現状オウルはスー国の軍事コンサルタントとして仕事をしているようです とは言え、現状ナイトエラントの北米での警察シェアは30%程度とまだまだ低調です(ローンスターは54%程度)。 3.シアトルとナイトエラント シャドウランの主要舞台であるシアトルについて説明を行い本稿を締めたいと思います。 シアトルは歴史上二番目に警察を民営化したメトロプレックスであり、最初その契約相手はローンスターでした。ナイトエラントは中小企業の警備などにより着々とローンスターの牙城を崩し虎視眈々とシアトルの警察権を狙い続けていました。 そして、2070年にローンスターは“マヤの殺人鬼”と呼ばれた連続殺人鬼の逮捕に失敗し治安維持能力を疑問視され始めます。 この時ナイトエラントは即座に警察業務を引き継げる(と主張する)人員とファイアウォッチ数部隊をシアトルに常駐させることで切り替えの圧力をかけました。 そして、2070年の選挙でシアトル市長に就任したケネス・ブラックヘイブンはローンスターとの契約を打ち切り、新たにナイトエラントと契約する事を宣言します。 この契約変更の表向きの理由は前述の連続殺人鬼“マヤの殺人鬼”の逮捕の失敗と覚醒ドラッグテンポ蔓延による治安の悪化の責任を取らせるとなっています。 実際には行政上の失策もあった部分を全てローンスターに押し付けたというのが正解かもしれません。 どのような理由であれシアトルの警察はナイトエラントに引き継がれました。 そして、現場はここまで急速な契約変更が行われるとは想定しておらず2072年頃には現場の人数が不足しており、ローンスターから解雇されたスタッフの雇用や他の都市からの移管などにより兵力を整えました。2079年になると十全な兵力は整ったようです。 しかし、落ち着いたら落ち着いたで政治に巻き込まれるのが世の常です。 アレスの北米本社やガイアトロニクスなどのメガコーポが軒を連ねるヴェルビュー地区ではアレスの影響力増大を嫌い地区の警察としてローンスターと契約をしています。 このためにヴェルビュー地区では警察と言うと未だにローンスターを指すにも関わらず、ナイトエラントも市との契約上対応をしなければならないというなかなかなに厄介な状態にあります。 ちなみに警察権は移管されましたが刑務所の運営は未だにローンスターが実施しています。 シアトルの責任者は女傑エレン・ワード。 セキュリティー部門で長年経験を積み経歴に一点の曇りもない人物です。 野心的な人物でありドローンの組織的な運用など新しい方法論を編み出し様々な功績を稼ぎ出しています。 ただ、恋愛に関しては女性が好きで現在も彼女がいるようです。 彼女はブラックヘイブンの内陣に組み込まれていた人物ですので市長交代による影響がどうなっているのか興味深いところです。 ナイトエラントの著名人として“軍曹”カティ・アンダーソンがいます。 ナイトエラントが警察業務を引き継いだ際にシアトルへと赴任してきた女性士官です。 彼女は狂信的な忠誠をアレスとナイトエラントに捧げており、最優先で仕事を考えて動きます。 部下たちは面倒な(時間外労働や厄介な調査)に巻き込まれないように素早く帰宅する技を身につけているようです。 4.ローンスター ついで簡単な解説をつけておきます。 とはいえ、Jun Muto氏が旧版のローンスターサプリLone-Star Sourcebookの解説を作成されています。
ローンスターセキュリティサービスは2017年7月22日、クレイストン・ウイルソンがバーソロミュー警備保障とアブソリュートソフトウェアを合併させる形で成立させました。 |