シャドウランの5版が日本語ででるらしい。 らしいと言うのはまだ見てないからなだけで2016年中にはでることでしょう。 もちろん、30周年記念版発売の情報が入っていて後4年ぐらいでない可能性も0では無いわけですが。 未来は本当に混沌としています。 それはそれとして、これで日本語版シャドウラン4種類になる(予定!)ので、ここは1つ原書の各版の内容と日本語版の関係、ルールの変遷をまとめておこうと思います。 あと、先にシャドウラン世界の時間の流れ方を説明しておきます。 シャドウランは原則的にサプリメントの内容がゲーム世界でネットワーク掲示板に投稿されたものと言う体裁を取ります。 そのためにサプリメント内容にはゲーム内の投稿時間が定義されています。 この時間は現実と同様に流れており、シャドウラン初版が世に出た1988年を2050年に読みかえることで成り立ちます。 つまり、現実の2016年はシャドウラン世界では2078年なのです。 これを煩雑と取るか素晴らしいととるかは個人の趣味ですが、そのような仕組みであるとご理解ください。 と言うのは、これによってルールの版上げタイミングにより、そのルールがどの時期を扱っており、どのサプリメントがどの版に対応しているか簡単に解るからです。 シャドウラン初版(1st) 年代:2050年〜2055年(1989年発売) 日本語版なし 記念すべきシャドウランの初版です。 基本的に時代の変遷やルールのマイナーチェンジはありますが、初版から3版までルールはほとんど変わりません。 転じて言えば各版の特徴さえ押さえておけば版違いのサプリメントの資料も活用できます。 最初の昆虫精霊騒動を扱ったサプリメント『Bug city』この時期です。 シャドウラン2版(2nd) 年代:2055年〜2059年(1992年発売) 日本語版:富士見書房刊 翻訳:江川晃(グループSNE)(1993年発売) 日本で語られるいわゆる“昔の”シャドウランです。 日本ではSNEのオリジナル舞台東京が語られたり、本国でかの有名なグレートドラゴンの大統領ダンケルザーンとその死の顛末が語られた版でもあります。 年代を見れば解るとおりシャドウランが本格的に展開されたのがこの版と言えます。 渕社は崩壊し、ノバテックと五行公子、クロス応用技術がAAAメガコーポ入りを果たします。 シアトルのマフィアやヤクザの泥沼の抗争の火蓋が切られたのもこの時期で『Underworld Southbook』に詳しく書かれています。 シャドウラン3版(3rd) 年代:2060年〜2069年(1998年発売) 日本語版:なし 1stと2ndが立ち上げなら3rdは拡張と整理の版と言えます。 前の版で分散して出ていた資料をまとめ、北米以外の舞台について多くのサプリメントを出し、彗星の年によりチェンジリングなどの追加の要素を投入しました。 AI騒動の発端(としばしば言われる)レンラクシャットダウンを扱う『Renraku arcology: shut down』はこの時代です。 また、これまで小説やシナリオで言及された組織や個人のその後をまとめたサプリメント『Loose Alliance』なども特徴的です。 2064年に第二次マトリックスクラッシュであるクラッシュ2.0が起きる。 これはレンラクシャットダウンから続くAI騒動の一区切りであり、新たなるステージセッティングの布石となります。 これによりマトリックスはワイヤレス化し、クロス応用技術のCEOが事故死したことによりクロスは崩壊し、ビッグ10の席はホライゾンへと移ります。 また、ノバテックはグレートドラゴンの会社トランシスニューロネットとサイバーウェアの基礎技術を作った会社エリカと合併し、ネオネットとなります。 このあたりの内容は『System failure』で取り扱われています。 シャドウラン4版(4th) 年代:2070年〜2072年(2005年) 日本語版:新紀元社 翻訳:朱鷺田祐介(スザクゲームス)(2007年発売) そして、ルールの大幅リファインの入った4版です。 1〜3とのルール互換性はないものと考えた方が無難です。 反面4〜5はルール互換性が無くはないです。 AIとテクノマンサーが世間一般に知られるまでを書いたシナリオフック『Emergence』はこの時代になります。 この事件に関しては朱鷺田氏のリプレイである『九竜の天使達』と『帝都の天使達』にも書かれています。 シャドウラン4版20周年記念版(4A) 年代:2072年〜2075年(2009年発売) 日本語版:新紀元社 翻訳:朱鷺田祐介(スザクゲームス) ルールの根幹部分は4thと同じでエラッタが当たり、サプリメントのデータが一部基本ルールに掲載されたりしました。 元々はタイトルから解るとおり20周年記念版としてフルカラーで出されたルールであり、メーカーサイトで差分ファイルがアップされています。 日本においては実質的な増補改訂版として発売され、特にオフィシャルな差分ファイルは公開されていません。 が、恐らく翻訳チームのメンバーである方が私家版の翻訳を公開しています。 ドラゴン同士の内乱を扱ったキャンペーン『Boad room backstabs』やグレートドラゴンたるゴーストウォーカーとイモータルエルフたるハーレクインの対立を描いた『Dawn of the artifact』などがあります。 これらのキャンペーン内容やレンラクシャットダウンの関係者のその後、バンパイアのバンパイアハンターなどの従来のプロットと5th以降のメインプロットであるCFDとマーケットパニックについて解説した『Storm front』などはこの時代にあります。 シャドウラン5版(5th) 年代:2076年〜 日本語版:新紀元社 翻訳:朱鷺田祐介(スザクゲームス)(2016年予定!) そして、日本語版もでる予定のシャドウラン最新版です。 ルールは4Aをアレンジしたルールとなります。 世界観としてAIによる人間乗っ取り事件CFDやビッグ10の絶対的な支配が揺らぐマーケットパニックなどがあります。 今まであまりしっかりと描かれなかった地域や古い版でしか扱われなかった地域を扱う連作サプリメントForcesシリーズなど新しい試みも行われています。 とりあえず、駆け足でシャドウラン各版についてまとめとみました。 有名事件は年表と書誌リストを見ながらまとめたものなので抜け落ちは多々あると思います。 私自身がシナリオは基本的に読んでいませんし、本格的に原書を追いかけ始めたのが5thからなので先輩諸氏から見て気になる点があればご指摘いただけると幸いです。 |