鮮血魔法雑考

此のテキストは、Can IがEARTHDAWN COMPANION Second Editionの鮮血魔法を元に書きました
当然ながら、誤訳による勘違いや、勝手にでっち上げた訳語のために読みにくいかもしれません
もし、御意見やお気づきの点がございましたら御一報ください。
なお、詳細は上記書物を自ら当たられることをお薦めいたします

理論魔術師 キルケーの講義ノートより


――鮮血魔法とは

一般的に鮮血魔法と言われると、名称による影響の為か、全てが”血”を媒介した魔法と思われがちである。
だが、ここで言う”鮮血”と言う言葉は、生命力を魔力に変換するという意味から来ているために、”血”その物ではなく、生命エネルギー全般を指すと思って貰いたい
ここまで言えば分かって貰えるとは思うが、タレントや魔法の行使などによって発生する疲労、これも鮮血魔法に分類されるのだ
なぜなら、自らの生命力を魔力に変換して、そのタレントなどの原動力としているためだ。
後は当然、鮮血の護符や、生きている鎧、<鮮血の誓い>なども分類される。
また、《生命変質》のように、他者の血液を媒介として行われる呪文や、他者の生命を犠牲にする物までもが、鮮血魔法に分類されておる。
これらの共通点は、単純に生命エネルギーを犠牲にしてなんらかの代償を得ているという点だ。

――鮮血魔法の歴史

そもそも、鮮血魔法という物の基礎が生まれたのは偶然からである。
発端は、セラの<永遠の図書館>での対ホラーの研究の人員が集まりすぎたことに端を発する。
これは喜ばしいことであるが、心の中心ネフレシャムの収容人数には限界がある。そこで、その時の長は、志願者に通過儀礼を課したのだ
その通過儀礼の一つに、長への忠誠と研究への専心を誓う物があった。
程なくして、その誓いの儀式は、他の物へと応用されるようになった。
結婚の時の愛の誓い、あるいは重要な契約事、そんな物に。
そして、その誓いのおりに自然と血による誓約を行いだした。これが、現在の<鮮血の誓い>の原型となったのだ。
まず、ここで重要なのは、此の時代の誓いには拘束力が存在しないことだ。ここでの誓いは、あくまで儀式であり、自らの信念を示すための慣例のような物に過ぎない。もちろん、運用されているのがネフレシャムの中のみだった為に、これを破れば村八分のような扱いを受けたが、これは魔法的な作用ではなく人の共同体としての作用だ。本当に力を持ち出すのはこれ以降となる。
さて、この後周知のように<永遠の図書館>は世界に散在するホラー関連の書物を捜索させるために世界中に冒険者を派遣した。
彼らの行動と共に、世界中に<鮮血の誓い>の儀式が広がっていった。それによって当然使用者も増え始めた
これによって、世界に<鮮血の誓い>の様式が刻み込まれ、実際に鮮血魔法は行使できるようになったのだ。
力が生まれれば、それを研究するのが我ら魔術師のサガである。当然のようにその後異界魔術師と理論魔術師が鮮血魔法の研究を始めておる。
その研究の末開発されたのが、鮮血の護符であり、生きている鎧なのだ。
それと時を同じくして、世界に散っていた冒険者達が新たなる鮮血魔法の使用法を発見……いや、編み出した
これによって、彼らは自らの種族や修練の限界を超えた能力を発揮できるようになった。
これが今日、鮮血魔法による活性化(Push)と呼ばれているものだ。
これらによって、世界における鮮血魔法の知名度は上がり、力も増していった。
ここまでのみ聴くと、なぜ今日これ程までに鮮血魔法が忌むべき魔法と考えられているか疑問に感じたかもしれない。だが、それはこれからの歴史によって創り上げられたことなのだ。
ちょうど、オリハルコン戦争の頃だ。この時期になると、じわじわとホラーの襲来が増加してゆき、<名づけ手>達はホラーの脅威を真剣に考え始めた。
この時期には、セラの『防護と通過の儀式』は公開されておらず、人々はその防護の手段として鮮血魔法を求め始めた。
だが、これらの実験はほとんど失敗に終わり、<大災厄>自体のもたらす被害よりもよっぽど醜悪で残酷な結果をもたらすこともしばしばあったと言われている。
時が流れ、人々がケーアに逃げ込む段階になったとき、セラの防護を信じ切らなかった者達もいた。
此の原因は、セラがあまりにもホラーの強さを強調したために、恐怖心が信頼に勝ってしまったのだ。
その者達が何をしたか……そう鮮血魔法を用いて防護としたのだ。それも、血の数滴と言うようなレベルではなく、人一人の命を犠牲にして使った鮮血魔法だ。
そして、もう一つ、セラに従うことを拒否した<龍の森>のエルフ宮廷は、自らのの防護を構築した。
だが、その防護も<大災厄>の中破られ、かの者達は鮮血魔法による棘の儀式を行い、壮麗にして華美であった<龍の森>を汚らわしい<鮮血の森>へと変貌させたのだ。
このような過程から現在鮮血魔法は忌むべき魔法であり、<大災厄>の、ホラーの落とし子と考えられている。
だが、一つ忘れては行けないのは、これらの全てを行ったのは誇り高き我ら<名づけ手>であり、ホラーに唆されたのではないと言うことだ。

――鮮血魔法の分類

鮮血魔法を大まかに分類する場合、肯定的な使用法である生命魔法、そして、邪悪なる死魔法という言い方ができる。
もちろん、我々が邪だの善のだのという感情的な概念で物事を測るわけにはいかん。もちろん基準はあるが、理論だけで全てを見て貰いたくないために上のような言い方をしたわけだ。
生命魔法は基本的に自らの血を、少なくとも自発的な提供者からの血によって行使される。だが、死魔法は、他者の血、いや、他者の生命を用いて行使される。
この為に死魔法は外法とされている。また、ここに分類される物は非常にホラー的な能力が多いのだ。まっとうな者であれば、使う気が起きない此の外法を<デスの鍵>の者は好んで使うと聞く。もちろん、噂を鵜呑みにするのは危険なことではあるが……
さて、先にも言ったが、生命魔法であれ、死魔法であれ一般的には、”邪悪”な魔法と思われている。
もちろん、これは偏見であるが社会の中で生きる以上偏見とて無視はできん。
ここで、重要なのは、<鮮血の誓い>を破った場合や、鮮血魔法によって能力を活性化した場合、独特のルーン型の傷跡が残るという点だ。
これを見た者は、仮に裏切りの傷跡でなくとも、鮮血魔法を行使した不健全な者という認識を受けかねない
そして、此の傷は、魔法薬によってしか治療することができない。もし、裏切りの者であるなら、その裏切った相手の名を、魔法語のタレントによって読み解くこともできる。もちろん、裏切りなどを行わなければ問題はないことではあるがな。
あと、これは伝説の域をでないが高位のクエスターであれば此の背約の傷跡すらも癒やすことができるらしい。