キャセイ概説

とりあえず、まとめてみました。ご意見あればお伝えくださいませ。

原初世界は虚無であった。
最初に5大元素が生まれた。それは、地、水、火、風、金であった。
この5大元素が混じり合い2体のドラゴンが生まれた。その名をインとヤンといった。
2体が飛び元素を攪拌し風が生まれ雲が生まれた。
2人は体を休めるために元素を集め大地と天界を創造した。
その血からバッションや他の名付け手がうまれた。
そして、インは月に、ヤンは太陽となった。
世界の運営を任されたバッション達は気候に秩序を与えるために季節を作った。
このために四季を司る存在を作り上げた。
しかし、この中の冬を司る闇の闘士は序徐々に過酷な冬を司る彼から距離を取り始めた。そして、彼は徐々に絶望をしていった。
そんな中でも名付け手たちは地に満ち、ドラゴンが他の名付け手を護り、導き、地には歌と祭りがあふれていた。

そんな中1つの名付け手種族が反旗を翻した。彼らはイェンヒジ。最初に闇の闘士から戦争の業を学んだ名付け手。この知識により世界には死と破壊がもたらされた。
そして、イェンヒジは他の名付け手に戦いを挑み、世界は怨嗟の声に満ち溢れた。パッションたちには地上から悪を駆逐するために行えることは何もなく手をこまねいていた。
この対処として世界の再創造をパッションは決断しますが時すでに遅く、アストラル空間の彼方より強力な12柱の悪魔であるシャイアガグイ(12の恐怖)が地球に到来しました。数百年かけ、パッションたちはシャイアガグイの多くを放逐しましたが、特に強力なシャイアガグイをアストラル界に放逐する力はパッションにはなく地上の奥深くへの封印を行いました。
しかし、封印したシャイアガグイのうちで最も強き物シクラン、竜を喰らうもの、は封印を抜け出し西方に逃げ去りました。
パッションはこのような惨事を引き越した責任から闇の闘士を山の下に封印することとしました。この山はどこかは伝わっていませんが、チハン山だと言われています。
そして戦乱で数を減らしたイェンヒジは世界への復讐を誓いながら闇の中に姿を消します。

○メモ
このあたりまでは第二世界における大災厄とホラーヴァージゴームとの戦いに関する話と思われる。
インとヤンが最初期のドラゴンなのか単なる神話なのかは不明。
ただし、バーセイブの指導者の立場にあるマウンテンシャドウが“不肖の息子”と評される程強力であったオールウイングがいたことを考えるとモデルとなった実在のドラゴンは存在しそうです。
この後魔力は失われ第二世界が終わり、第三世界が過ぎ、魔力が戻った後第四世界が始まる訳ですが、以下はその最初期から話が始まるのではないかと。

しかし、世界には苦痛と戦乱に満ちていました。
イェンヒジは未だに生き残り様々な活動を行っています。
彼にイェンヒジを撃破しても新たなる悪が生まれることは間違いのない状況でした。
そこでパッションは世界を再建するために、世界の浄化をするように指示をします。この言葉に耳を傾けたのは賢明なるドラゴンでした。
この時パッションたちは気づきました。名付け手達が広く世界に広がったために12柱で全てを護ることは不可能であると。
そこで賢明で導きに従うものを集めた楽園を作り上げることにしました。

そこでバッション達はドラゴンの中で最も偉大なるものコン・チェンを天界に呼び出し世界の再建を命じた。
コン・チェンは賢き者を集め世界の中心を目指し長く苦しい旅を始めた。
その中で中心となる人物がいました。ユン・タイジーという名の刀鍛冶です。彼は歩けないものがあれば背負って運び、自らの負傷も厭わず人を助け、皆の魂を鼓舞するためにともに歌い、民衆を率いました。

タイジーが嵐を手名付ける話
旅の中、ある時タイジーたちは嵐に遭遇した。
コンチェは自らの力でなんとかするように告げる。
タイジーは目の前に巨木に歌を歌い雲の上まで成長させた。
その巨木を上り雲の上の巨人と遭遇したタイジーは太陽の炎で剣を作り出し、その巨人を打倒した。
これにより嵐を起こしていた巨人を打ち破り嵐はやんだ。

世界の中心
タイジーたちは世界の中心へとたどり着いた。
されど、そこは荒れ果て緑などどこにもない場所だった。
だが、コンチェの偉大なる魔法によりそこは緑あふれる地となった。
しかし、時を同じくし世界の調和の為に世界には冬が戻ってきた。

タイジーと魚
冬になり食料がつきたタイジーは釣りをする。
釣り上げた魚はタイジーに尋ねる。
タイジーの命を繋ぐために魚を食べるのは正義かと。
タイジーは生きるために必要故食べることは正義だが知性ある存在は食べるべきではないと魚を放す。
その魚はドラゴンであり青い鱗のドラゴンとして姿を現しタイジーたちを護ろうと申し出る。

タイジーが大地を手名付ける話
タイジーは大地の精霊から加護を得るためにドラゴ人より賜った印章をささげる。彼らは自分たちが大地に与えた物以上に収奪しないと誓い、精霊もそれを信じる。

最初の都市
再び春が到来しコンチェはタイジー達に最初の都市フアン・ファン、領域の中心の建造を命じます。
これは2年の月日をかけてついに完成します。

パッションの周期
パッションは天災を防ぐために自分たちが順番に世界を司っていくことを決めました。
これにより12柱のパッションは順番に世界を司るようになりました。

タイジー、ビンリーと出会う
瑞獣たる麒麟を従えたビンリーにタイジーは求婚するが様々な無理な要求を出すビンリー。
タイジーはそれをことごとくかなえビンリーと結婚する。

タイジーと鳳凰
タイジーが息子のフュージェンを探しに山に入った時山の頂で鳳凰が自らの肉体を焼いて死に、よみがえることを繰り返している。
タイジーが尋ねると巨人に妻をさらわれて絶望していると告げる。
タイジーは鳳凰の巨人から妻を救出してやる、

帝国の建国
ひどい疫病により妻を失ったタイジーはコンチェを責める。何故疫病を防いでくれないのか、と。
コンチェは告げる。今タイジーは死を防ぐことはできない。されどいかに生きるかを教えることはできる。
故にタイジーが人々を導くべきであると。

その時コンチェの背後に5大守護竜が天空より舞い降りる。
コンチェは告げる。「ここに5大属性を司る宝物を提示せよ、と。

コンチェは象皇剣をタイジーの前に置くと火炎の司たるフェンが頭を垂れる。
続いて水素で印章を形成する。「これこそが竜皇印なり」水の司たるシュイが頭を垂れる。
続いてタイジーは大地と誓約した翡翠であり婚礼の証にユインリーに送った首飾りを首にかける。「翡翠の首飾りなり。」地の司たるシャンが頭を垂れる。
タイジーが鳳凰より授かったローブをコンチェがタイジー与える。「皇鳳衣なり」風の司たるフェンが頭を垂れる。
そして最後にタイジーの前に残された王冠をタイジーの頭にかぶせる。すると金の司たるチェエットが頭を垂れる。

「頭を上げよ人の子よ。」
コンチェの言葉に従いタイジーは立ち上がり5大守護竜も併せて頭を上げる。
「この5竜は汝の守護者となる、皇帝ジーよ。今こそ汝はこの地の支配者となった。ゆえに我は去ろう。」
そう告げるとコンチェは天空に舞い上がり西方に飛び去りました。その後その姿を見たものはいません。
そして、皇帝ジーは5大守護竜に告げます。「今日よりこの地をキャセイと名付ける。」

ここにキャセイ帝国が成立する。

メモ
実際にはキャセイ各地に割拠していた勢力のうちタイ・ジーの勢力にグレートドラゴンが肩入れして帝国を造り上げたというところでしょうか。
ドラゴンが前者にあるかどうかの差はあれどバーセイブのスロール王国の成立に通じるものがあります。
コン・チェンですが、西方に去るというのが死の婉曲表現なのか、文字通り西方に向かったのか気になるところです。
ここで竜器とキャセイに命名して5大守護竜と誓約を結んだのでしょうね。

600年前、隣国であるインドリサがセラ帝国に併呑されます。
これによりセラ帝国の次の標的はキャセイに絞られます。
セラ帝国はキャセイ帝国に近づく大災厄の脅威について解いたうえで軍門に下ることを求めた。
しかし、皇帝はドラゴンの加護を頼み拒否。
この反応に慌てたのがエルフのガーと呼ばれる一族。
彼らは単独でセラ帝国と接触しセラ帝国をキャセイ帝国内に招き入れてしまう。
この軍勢が首都に迫り陥落目前となった時に、有事の際に対応するために養われていたザンの武闘僧達が駆けつけ何とか撃退した。しかし被害も甚だしく武闘僧はほぼ全滅するまでに追い込まれた。
これを恥じた帝国兵は強力な儀式魔術を公使し誓約による力を獲得した。
そして、セラ帝国の再来に備え兵力の増強を急いだ。
彼らが現在の〈守護者〉のディシプリンにつくもの達のルーツである。
そして、再来したセラ帝国を見事に打ち払うことになる。
この後、到来した〈大災厄〉においてドラゴン達により巣穴に匿われ大過なく400年を過ごすことになる。
この各巣穴には一人づつドラゴンが滞在したためホラーによる損害はほとんどでなかったと考えられる。

メモ
キャセイ人は〈大災厄〉を世界の循環サイクルと考えており忌避感が低い。
それに伴いホラーも迷惑な害獣ていどの認識しかなくバーセイブと比べると絶対的な脅威感や恐怖感はない。
これは〈大災厄〉をドラゴンの加護で大過なく乗り切ったことと無関係ではないだろう。

〈大災厄〉の傷跡もドラゴンとアデプト、クエスターの努力により速やかに回復した。
しかし、そんな時に皇帝が子を残さずに死んだ。
これを受けて〈五大守護者〉はキャセイ帝国を5王国に分割し各王家で帝国の後継者を争わせることにした。
この継承戦争は五行戦争と呼ばれすでに100年近く続いている。
すでに各国家や民は疲弊し国土は荒れ果てています。
それでも戦乱はいまだに終わる兆しを見せていない。
そして、力無き民は日々の暮らしに困窮し平和を待ち望んでいる。
そんな時代に英雄たるアデプト達はいかに生きることになるだろうか。

独自種族
ガー
エルフの一族ですが平均寿命が55~60歳と短命です。
この理由は彼らは所属する部族を第一に考えて生きており、なおかつその生涯が戦闘に満ちているためです。
五王国にはあまりおらず蛮族と見なされています。
鞭髪を編む習慣がある。

キー・マオ
〈終わりなき驚異の密林〉に住むエルフの一族。
顕著な特徴は目がカラフルで体が虎のような縞模様。

ポ・ナ
〈終わりなき驚異の密林〉に住む人型生物で平均身長6フィート、平均体重175ポンド。
体は明るい色の毛皮に覆われ長く器用な尻尾を持っています。
顔は人よりも猿に近いです。
平均寿命は75歳程度ですが100年以上生きた個体も存在します。

嵐の仔ら
特にひどい嵐の夜に大地に落ちた雷の後から生まれることがある種族。
最初から成人の姿で現れすぐに意識を持ちます。
必ず堅い黒髪と黒目の無い瞳をしています。
平均寿命は130歳で皆
貪欲な知識欲を持ちます。
特筆すべきは種族としての故郷や文化を持たないため適当な社会に適応して生きていきます。
キャセイでは風変わりな隣人として認識されています。

その他のバーセイブに存在した名付け手も存在します。彼らは自分たちをキャセイ人であるとまず認識し種族間の隔たりは少ないようです。
ちなみにキャセイ人のウインドリングはおらず基本的にバーセイブやセラから流れてきた人物となります。

ディシプリン
バーセイブのディシプリンに加えてキャセイ独自のディシプリンを選択できます。
キャセイでは珍しいとされるディシプリンで面白いのはトロール、ホラー、ウインドリングに関連するものであること。
ウインドリングはそもそも存在しないのでよくわかります。トロールもバーセイブでは高地に住み独自文化を形成した結果、空族や放逐戦士のディシプリンが生まれたのでキャセイにはありません。
ホラー関係のホラー追いや浄化者が存在しないのはキャセイではホラーとの関わり方がバーセイブと異なるためでしょう。これは追々ワールドガイドを読んでいけばでてくるかと思います。
またオークも虐げられていませんので解放者はあまりいません。
エルフ宮廷や大図書館と強く結びついた歌鍛冶や旅学者もいません。

では、以下にはキャセイ独自のディシプリンをまとめいきます。

獣王/Beast load
獣使いが動物との相互理解から力を引き出すディシプリンでしたが獣王は異なります。
獣王は自らの力を高めるために動物の生き方を学ぶのです。
その理想は虎のような百獣の王とのことです。
データとしては戦闘系よりも動物操作系が多い気がします。

天界の娘達/Daughters of the heaven
天地の調和やバランスを取ることを律とするディシプリンで治療術にも秀でています。
が、データはがっつり戦闘系だったりします。
と、言うのも彼女達は人生を他者を助けるために捧げた者達だからです。

守護者/Guardian
キャセイを守護する盾としての役割を自ら選択した戦士達のディシプリンです。
かつてはキャセイ帝国の守護者でしたが現在は5王国に別れて互いに争っています。

商人/Merchant
ある意味商売人であり、ある意味盗賊でもあるディシプリンです。
危険な戦場であれ何であれ利益のために身を粉にして働く者達です。

格闘家/Monc
グレートドラゴン嵐から伝えられたらと言われるディシプリンです。
ディシプリン内部に鶴、豹、蛇、虎の4つの動物を表す流派があり流派により取得できるタレントオプションが異なります。
素手の攻撃力を増加させるタレントもあります。
そして、真の達人は竜の道に至ります。
彼らはあくまでも精神修練として技を鍛えています。
このため可能な限り戦闘を避けようとします。

拳闘士/Pugilist
自らの栄光と名声のために拳で戦うディシプリンです。
そして、自らをより強くしていくことを目指します。

侍/Samurai
侍はジウポウ島の精鋭化された戦士です。彼らにとって鎧は寝床であり、刀は貴婦人なのです。
通常侍は大名に忠誠を誓っています。
キャセイにいる侍の多くは仕えるに足る主を探して浪人している者達です。
タレントオプションに騎馬系が多い気がします。

学者/Scholar
知識の守護者でありキャセイ中を旅し失われたり未知の知識を集めています。
月の杖と呼ばれる独自のスレッドアイテムを使用します。

呪術師/Sorcerer
呪術師は呪文使いであり付与魔術士です。
自らの意志で現実を変化させ操るために魔力を操ります。

剣舞士/Sword dancer
剣舞士は生死全てを剣で決めます。彼らは素早く軽やかに次々に行動を繋ぎます。

戦馬乗り/War rider
騎獣に乗り戦場を駆け巡る戦士です。
騎兵と比べると騎獣がなくとも戦えるタレントが揃っています。
イメージ的に騎馬能力を付加した武人です。

ちなみにバーセイブと扱いが異なるディシプリンが3つあります。
それは剣匠、木人、尻尾の踊り手です。
剣匠は剣に限らず斧や槍など様々な武器に特化したアデプトがいるため(特定の武器)匠と呼ばれます。
木人は通常のエルフはなることができません。なぜなら、キャセイのエルフは自らをエルフである前にキャセイ人と認識するからです。
木人はガーとキーマオしかなることができません。
尻尾の踊り手はポ・ナも猿のような尻尾があることからこのディシプリンにつくことができます。

訳注:ご承知の通りアースドーンは紀元前30世紀頃を舞台としたTRPGです。
では、当時の日本はどのような状況だったのでしょうか。
関係部分を抜粋していきたいと思います。

ジポー/Jihpn(CGMG P.75)
このジポーという島国は〈大災厄〉の5世紀程前に建国されました。キャセイ人の一部が新天地を求めて旅して定住したのがそもそもの始まりです。これに対し時の皇帝もキャセイ帝国は牢獄ではないとして許可をしました。
長の年月を経てジポーは現在強力な国家に成長しました。〈大名〉として知られる絶対君主による土地を支配する封建国家です。〈サムライ〉として知られる精鋭の戦士階級が軍隊と〈大名〉の護衛を担っています。
ジポーは今のところ五行戦争に積極的に関わってはいません。〈大名〉達は互いに争うことに忙しく大陸に介入する余裕がないのです。キャセイ人の中にはジポー人をよそ者として微妙な感情を持っているものもいます。ジポー人は元々がキャセイ人ですが長年の間に独自の文化を発展させ、言葉すら今では異国語と言えるほど異なっています。最も差異を生んだ原因は互いに異国と考えているためです。

-テン・ムの長老 フ・ペン
噂ではジポーにも守護ドラゴンがいるようだの。このドラゴンは古代にキャセイのドラゴンと戦い遺恨を残しているか、互いに憎み合うかしていると聞いているよ。

訳注:日本に君臨するグレートドラゴンと言われると一人しか思い浮かびません。このドラゴンに関連した内容が他のグレートドラゴンの説明に記述がありました。
では以下に第六世界でも猛威を振るうグレートドラゴン、ラン様の説明を抜粋いたします。

ラン/Luung(CGMG P.106)
年経た強力なグレートドラゴンであるランは光沢のある暗赤色の鱗を持ち、最も明るい箇所は金色です。そして、闇色の瞳は深遠な知識に満ちた底なしの井戸のようです。ランはドラゴンスピン山脈の北に位置するザン山の高所に宮殿を持っています。そこに様々な〈名付け手〉種族の多数の奴隷や従者を養っています。グレートドラゴンはしばしば客人を招きますが、招待を受けずに訪問すると間違いなくグレートドラゴンの怒りを買うことになるでしょう。
ランはかつてひなの頃から面倒を見て育てた庇護下においたグレートドラゴンがいました。名をリ・マオと言います。リ・マオはがむしゃらにランの持つ全ての魔法の知識を学ぶことを望みました。この熱情と狂おしいまでの要求こそがドラゴンの業の奥義を身に付ける準備が整っていない証であるとしてランは要求を退けます。更には、この若いドラゴンが忍耐と知性を身につけるまで魔法を与えないことを決めました。しかし、リ・マオは怒りに身を任せランの庇護下から離脱しました。リ・マオがいつの日にか舞い戻り力づくで奥義を奪い取ることを恐れたランはザン山を護るためにザンの武闘僧団を造り上げました。これによりランはより力を持つことになりました。この計画が成功し数年後にリ・マオが部下を引き連れて舞い戻ってきました。この強力なアデプト達によりランを始末しザン山の支配権を奪いとるつもりでした。最終的に、ランと武闘僧達は勝利を収めリ・マオは敗れました。ランはリ・マオの生命までは取らずキャセイからの追放ですましてやりました。リ・マオはジポー島に逃れいまだにそこに留まっています。そして、配下を組織し慎重に計画を練り上げいつの日かキャセイに凱旋する日を虎視眈々と狙っています。ランは魔法の業を保持しています。彼は伝承や魔法の道具、魔法の知識を貪欲に集めています。彼は傲慢にも年若い種族は自らの従者として仕えることでより価値が増すと考えています。ザン山を護らせるためにザンの武闘僧団を造り上げた主要な動機は、彼らを知性化し誇りを与え、自らに従わせることが彼らのモチベーションになると本当に信じているのです。
忍耐力の好例として、ランは早急な決断を行わず、計画も短期的な利益を狙うものではありません。その代わりに、彼の密使達は年を取り、計画が開始する前に死んでいきます。そして、ごく一部の密使は主の意図を気づき動きますが、大半は、この中にザンの武闘僧も含まれます、グレートドラゴンの指示に完全に従い、自分自身の視野を持ちません。
伝統的に、ランは自らの魔法を収集するための興味を抑えていますが、五行戦争が始まって以来、野望は膨れ上がってきています。この先、この戦争が収拾がつかなくなった場合、〈五大守護者〉がキャセイドラゴン達の争いの最終的な仲裁人が必要となるかもしれません。ランはフェンランが戦争に勝利するためにザン山の魔力を狙い蠢動し始めていることに気づいています。そして、ランはいくつかの対応策をすでに準備しています。

訳注:リ・マオが第六世界において君臨するグレートドラゴン竜冥である根拠な何もありませんが、日本に何体もグレートドラゴンがいるよりは説得力がありそうです。
さて、少々ジポーから話題が脇にそれました。
では、以下にジポーの精鋭戦士階級を担う〈サムライ〉のアデプトとしての道を見ていきましょう。

忠義の道/On the path of servitude(CPLG P.54)
-バータータウンのヒューマン〈商人〉ダイレン・ジャガロ
私達が静かに食事を取っているとき一人の男が静かにオニギリを食べ小さな器でお茶を飲んでいることに気がつきました。彼の鎧はまるでおろしたてのように痛みが見あたらなかったのです。良く磨き上げ完全に手入れされていたのです。長さの違う二本の剣が彼の前の机に直接置かれていました。鴉の濡れ羽色の髪は後ろでまとめて結んでいました。容貌の多くはキャセイ人のようでしたがいくつか見間違えようの無い異国人の特徴を有していました。私は好奇心に負けて、彼に近づきました。用心深い目を私に向けては着ましたが卓上の剣に手を伸ばすことはありませんでした。代わりにお茶を飲み、私が座ることを妨げませんでした。

拙者はヤマザキ・ヒロと申します。〈大名〉であるアカガワの殿に仕えるサムライです。拙者がキャセイにいる理由はしごく個人的な理由によるものです。気になるかも知らんが詮索無用に願いたい。色々聞きたいことはあるだろうが拙者にも予定があるのであまり時間はとれんよ。

-バータータウンのヒューマン〈商人〉ダイレン・ジャガロ
このヤマザキの話を聞いた時私はふらふらでした。私達はフェンディ王国を目指すきつい旅の途中でまだ旅程は数日残っていました。水も食料もつき急いでいました。そこで、足を止め水や食料などの必需品を買い求めることにしたのです。漁村ジアン・チに着いた。ここはフェンディとチエットディの境界線上にあります。その村はかなり大きく碧玉海に接し多数の漁船が漁に出ています。私達は村の端でキャンプし村に入りました。疲労と空腹に苛まれながら数時間かけて商売に最適そうな宿屋をついに見つけたのです。見つけた宿は〈海の恵み亭〉という名前で居心地の良さそうな外観と両側に大きな商家がありました。懐が暖かい方々とは異なり我々は全員で一室でした。ヤマザキは恐らくこの宿が他と離れている点を気に入り選んだのでしょう。

忠義とは
全ての生きとし生きる者は何者かに隷属する人生を送っています。それは社会的階級や他者に仕えていたり、究極的にはパッションの意志などです。動物や無機物はこの中に含まれない。拙者の生き方もある意味農民やキャセイの最も偉大なる王と何ら変わらないのです。拙者は何の偽りもなくこの大地を歩んでいます。拙者は主に仕えて生きており、これは死ぬまで続くでしょう。拙者の主はジポーのヒトモ国を治める〈大名〉アカガワ様です。仕え始めたのはこの刀、魂削りを持ち上げられるようになる前であり、死ぬまで仕え続けます。拙者達は皆孤独に生きており、年経て生きているためものは稀です。アカガワ様に仕える中で戦いに身を投じその中で死んでいく場合が多いです。殿の法をヒトモの外に敷衍し、意志を叶えるために長年アカガワ様のために戦い続けてきました。
ジポーの我が土地はキャセイとは異なり、戦乱に満ちあふれており刀を休める暇もありませんでした。これは今でも変わりません。ジポーでは土地を支配する〈大名〉同士で権力闘争に明け暮れています。絶え間ない戦闘の中で、サムライは繰り返し繰り返し〈大名〉にとってどのような価値があるか考えます。彼らはうまく死を逃れ生きていきますが、周りからはそれが不思議に見えるようです。サムライにとって何の不思議もありません。サムライの奉仕期間は簡単には終わらないのです。我々は如何に生き残り、如何に仕えるかを学ぶのです。

サムライの道
サムライは世界に生まれ出た時からサムライとして生まれます。誰にもサムライとなるかを選択することはできないのです。生まれた時から明確なのです。ジポー人の中にはサムライとして生まれなかったにも関わらず刀を身に付ける者もいます。彼らはサムライの格好をし、武士道として知られるサムライの掟に従います。このような欺瞞は掟そのものに対する侮辱以外の何者でもありません。彼らは一般的ではありませんが、在り方そのものが生まれつきサムライである者に対する侮辱なのです。

-ギリリアン、ヒューマンの〈盗賊〉
俺には全ての子供が魔法のタレントを身に付ける才能を持ち、アデプトとなってサムライの道に進むとは信じられん。何が起きればそんなことがあり得るんだ?

-ディビルガイノン、爪の峰の〈学者〉
ヤマザキ・ヒロがダイレン・ジャガロに話したのはサムライに関して実際の話であり一般的に信じられている内容だの。〈サムライ〉は高貴な階級であり、同族の指導者だ。サムライ階級の者は、特定の規則に従い、自らの〈大名〉に仕え、恐るべき刀を携帯する。一方、〈サムライ〉のディシプリンはサムライ階級の者が造り上げたものでサムライ階級の理想像の象徴なのだ。ゆえに二重の意味でサムライとして生まれなければならないのだ。サムライ階級の中に入ると言うことは〈サムライ〉のディシプリンにつくことと同義なのだ。しかしながら、他のディシプリンと同様に〈サムライ〉のディシプリンにつくためにサムライ階級に所属する必要はないのだ。

〈サムライ〉として生きると言うことは名誉という厳格な掟に従わなければなりません。〈サムライ〉はこの掟を厳密に守らなければならず、我々と普通の戦士を分けるものなのです。可能な限り自らの奉じる真実を貫き通し、自らの〈大名〉の意志を実現するためには命をもなげうたなければなりません。我々は高潔で潔白な人生を歩み、すべてを同じように扱うことで出会った相手から尊敬を勝ち得るのです。しかし、〈大名〉が出会った相手と戦うことを望めば戦わなければならないのです。
〈サムライ〉は怒りや憎しみによって戦ったりはしません。我々は戦わなければならない時にのみ戦うのです。何故なら、我々はそのように生まれたからです。我らが戦闘の中で殺されるとすればそれは〈大名〉の命令以外にありえません。〈サムライ〉が成し遂げている名誉以上のものは存在しないのです。
〈サムライ〉の中には〈大名〉の領地や軍団を超えて権力を得る者もいます。そして、自らに仕えるサムライを持つのです。これらのサムライは立場によって様々な呼び方をされます。一番一般的なのは執事を意味する地頭や長老を意味する家老です。そして、その強力な力により法を施行し自らの〈大名〉に仕えるのです。

浪人となる
サムライとして生まれれば、その生涯自らの主に仕えます。しかし、不可能になる場合もあります。それは、ひどく名誉を損ねてしまった場合などです。敗戦した際に敵に捕らわれて最後まで生き延びていた場合や、自らの仕える〈大名〉を護りきれずに死んでしまった場合などです。これらの際にサムライには切腹と呼ばれる儀式的な死を選ぶことが求められます。
〔後に知ったのですが、ヤマザキが持つ二本の刀の短い方は脇差しと呼ばれ主に切腹に用いられるそうです〕
サムライの中にはこの固い掟に従えない者も存在します。それは自分自身や死んだ大名が不名誉な行いをした場合です。それらのサムライはジポーを離れ忌避するようになります。この不名誉は残った家族にも恥を与え死によってしか恥をすすぐことはできません。そして、この掟から逃れるために多くのサムライがキャセイに流れてくるのです。

-クロロック、オークの〈異界魔術師〉


〔ここでヤマザキ・ヒロはゆっくりとお茶を飲み動きを止めました。その目は遠くを見ていました。しばらくしてから私は意を決して注意を喚起しなければなりませんでした〕
浪人の中には自らの恥をそそぎ誇り高きサムライの立場に戻ることを目指しているものもいます。しかし、そのような浪人は極々稀なのです。

-デラート、イイスタンス市の理論魔術師
推測するにヒロは不名誉を犯したサムライではないのかな。どのような事情で彼はそんな事態に陥ったのでしょうね。

武器の達人/On mastery of arms
〈サムライ〉の道は戦争の道であり、その技術は戦場で役立つ武器の訓練をすることなのです。〈サムライ〉の最大の武器は意志の力であり、〈大名〉の敵を前にして遅れを取ることは許されないのです。敵と相対した時のために、武器の有り無しや騎乗か徒歩かに関係なく全ての戦闘方法を身につけています。特に重視されるのは弓術で、弓術は強い集中力と落ち着きを身につけさせてくれます。弓術はキャセイのクロスボウと違い決断力を与えてくれます。全ての矢を撃ち尽くしたり、敵に近寄られると近接戦闘の出番です。〈サムライ〉はあらゆる種類の近接武器の訓練を積んでいるのです。しかし、その中でも重要視されるのは剣で、戦場の外でも常に携帯することは義務なのです。〈サムライ〉は多くの剣を戦場で使用できますが、一般的には二本の剣をいついかなる時でも持ち歩いています。この二本はジポーではブロードソードを刀と呼び、ショートソードを脇差しと呼んでいます。この二本を合わせて大小と呼びサムライの魂なのです。サムライ以外のものは大小を身につけません。

刀とは/On the katana
熟練のサムライが振るう刀程危険な剣にあなたは出会ったことはないはずだ。鋭い刃は鎧や他人の剣を斬り裂けるように造られています。刀は最大限の注意を払い造られ長い時間をかけて完成される。例えば、私の剣は四世代前の偉大なる刀鍛冶ミヤモト・ケンジにより造られたものだ。この剣は父や祖父など代々身につけてきました。刃の歴史は詳しく語り継がれていくのです。
刀を造った刀鍛冶はその生涯を刀を打つ業を鍛えることだけに費やすのです。刀を打つとはそれほどに大変なものなのです。鍛える過程で何か1つを間違えるだけで鉄屑となってしまうのです。
刀鍛冶は湾曲した片刃の刃となるように幾重にも金属を折り畳み長い時間をかけて真の元素により鍛え上げます。
〈火素〉により刀を赤熱するまで加熱します。これにより刃には水面が波立つような波紋が造られます。
〈水素〉により刀は水の中を泳ぐ魚のようにサムライが滑らかに扱えるようになります。更に、陽の光を受けると蒼い氷のような輝きを返すようになります。
〈風素〉により刀は通常の剣よりも軽くなります。これにより〈サムライ〉は刀を恐るべき速さと正確さで振るうことができるのです。
〈地素〉により刀は脅威的な耐久性を得ます。幾重にも、〈地素〉を鋼の中に編み込むことで闇色を帯び、非常に硬質な剣に仕上がるのです。〈刀鍛冶〉によって、柄や刃の形状を与え誰の作品か解るように〈地素〉を編み込みます。拙者の刀は達人であるミヤモト・ケンジの作で、ジポー語で"名誉を保て"と刻まれています。このように言葉が刻まれているものは大変珍しく、〈刀鍛冶〉の非凡な腕を示すものなのです。
特別に裕福なサムライ一族や大名から下賜されたもので〈金素〉により造られた刀を持つ者もいます。
しかし、刀の真の美しさは〈サムライ〉が振るい初めて発揮されます。刀に熟達した〈サムライ〉は電光石火の動きでいつ刀を抜いたのかすら解りません。大変な正確さによるもので全く無駄な動きがないのです。サムライの業は素人目には何をしているか解らないものですが、彼らはこの死の技芸を見抜けないだけなのです。
〈サムライ〉が一時的に他の武器を使用することもありますが、刀をできる限り使用することはサムライにとって戦士としての証なのです。また、刀を失うことは大変不名誉なことであり、刀を失ったサムライは無くしたり盗まれた刀を取り戻すかより素晴らしい逸品を手に入れるまで世界中を探索しなければならないのです。

訳注:ここからは、ゲームインフォメーションと言うことでヤマザキ・ヒロ自身の語りはこれでお終いです。

ゲームインフォメーション
〈サムライ〉は島国ジポーの精鋭化された戦士達です。彼らはディシプリンと結婚していると言っても過言ではありません。鎧は寝床であり、剣は女主人なのです。その人生は主たる大名に捧げられます。〈サムライ〉の多くは頑なな態度と自他に厳しく愉快な連中ではありません。キャセイにいる〈サムライ〉の多くは浪人です。多くの王や貴族、中には商人すら、彼らの忠誠を得たいと考えており、忠誠心と非凡な腕に多額の報酬を申し出ることでしょう。

主要能力値:敏捷力、筋力

カルマ儀式:カルマ儀式を始める際に自分の周囲に円形に4つの目標を設置します。立ち上がり一挙動で剣に手を添え主や国家に対する義務に対してできることを思い浮かべます。数分間、立ち尽くした後、突然剣を抜き放ち、4つの目標すべてを斬り伏せます。最後の目標を斬り伏せ、剣を鞘に戻した時点で貴式は終了します。

ハーフマジック:武器や防具の手入れ、騎獣の世話などや軍隊の戦術や戦略の知識にハーフマジックを使用できます。更に、〈サムライ〉はサムライ階級の理想像であるため武士道やジポー人の貴族社会、文化などのサムライ階級の生活に関する知識に対してもハーフマジックを使用できます。更に、戦術技能をハーフマジックを使用して使用でき、ジポー文化が関係すれば礼儀作法や交渉術にもハーフマジックが使用できます。

特殊ルール:〈サムライ〉の初期装備は〈大名〉から受け取っている俸給や先祖からの伝来品に左右されます。それに加え、給料を受け取ってからの期間や定期的な給料があるかなどが決まります。〈大名〉の命令に従っているのであれば絶対服従が求められます。もし、サムライ階級から逃げ出してきたキャラクターを作成しゲームに参加するのであれば、その特典を失います。〈サムライ〉のディシプリン能力の中には〈大名〉に仕えている必要があるものもあります。これらを頻繁に使用できるのは何者かに仕えている者だけとなります。能力の中には明確な命令を受けなければ使用できないものもあります。これらは仮に長期間国本を離れても〈サムライ〉が〈大名〉に忠実に仕えていれば効果を発揮します。重要なのは〈サムライ〉と〈大名〉の関係なのです。浪人はしばしば能力の使用に問題が発生します。しかし、彼らも誰かから仕事を受け、その目的のためであれば能力を使用する事ができます。GMとPLで〈サムライ〉の奉仕内容を決定し、以下に記した初期装備の指針に修正を加えても構いません。場合によっては、より多く装備品を与えても構いません。

〈大名〉に仕える
〈大名〉に仕えた状態でゲームを開始する〈サムライ〉は、大小(刀と脇差し)、軍馬、ロングボウ、矢、武者鎧(Samurai armor)。通常は〈大名〉の近くで仕え、特別な命令が無い限りは国本にいることを期待されます。また、この装備は有事の際に備えて手入れを怠らぬことが求められます。もし、失った場合には自分で揃えなければなりません。

出張中
様々な理由により、〈大名〉に仕えたまま、国本を離れていることがあります。使命を遂行するためか、旅の中で腕を磨き名誉を得ようとしています。この場合、いつの日にか帰国することを期待されています。もちろん、条件を満たした時になりますが。この状態でゲームを開始する場合、大小、銅丸(Samurai partial armor)、ロングボウ、矢、目的地で乗用馬を買うための費用です。しかし、ジポーの外では〈サムライ〉は畏怖の対象とならず徒党を組んだ盗賊に襲われ身ぐるみを剥がれることもありえます。

浪人
浪人は誰にも仕えていない〈サムライ〉を表します。このため、しがらみから逃れるためにジポーから逃げ出す際に〈大名〉からの俸給も一切合切なげうってきたのです。例外として、名誉ある〈サムライ〉が育て上げた浪人も存在します。浪人の状態でゲームを開始する場合、刀と脇差し、銅丸か追加で銀貨200枚となります。もし、アイテムを選択した場合、それは父祖伝来の品となり、浪人魂の逸品となります。

ロールプレイの指針
〈サムライ〉の人生は義務と同義です。彼らに〈大名〉に仕える以外の野望はなく自分自身のことは二の次なのです。〈大名〉が死を命じれば迷わず実行します。これは家族や自分の目的を棚上げにすることを意味しませんが、〈大名〉に対する義務のほうが優先されるのです。皮肉や移り気などは有り得ない要因であり、人生とはどっしりと大地に足を着けて送るものなのです。

ディシプリンバイオレーション/Discipline violation
不名誉にあたる行動や武士道に反する行為はディシプリンバイオレーションに当たります。また、〈大名〉に反抗したわけではなく命令に失敗することは通常のディシプリンバイオレーションに相当します。〈大名〉の元から離脱し、浪人となった場合、タレントクライシスを起こします。このクライシスは本人が自らを見つめ直し、名誉と武士道の在り方と浪人となったことをすりあわせることができるようになるまで続きます。

成長の儀式
〈サムライ〉のジポーにおける役割は戦士であり、このため成長の儀式も戦闘技術に関係したものとなります。

参入/Recruitment
サムライとは単一のディシプリンの名称ではなく、世襲の称号であり、その中でもジポーで最高位の階級がサムライとなるのです。サムライ階級の中でも選ばれた者だけが〈サムライ〉のディシプリンにつくのです。中には〈大名〉に見いだされてサムライ階級に加わり〈サムライ〉のディシプリンを学ぶ者もいますが、名誉の概念を理解することが困難なこともあり非常に稀です。ジポーの歴史上女性が〈サムライ〉のディシプリンについたこともありますが、皆無に等しい程稀です。

修行者(2~4サークル)/Novice
騎乗で障害物の仕掛けられコースを走り抜けなければなりません。サークルが上がれば上がるほどコースは難しくなります。

Journeymen
的確に矢で目標を射抜けることを示さなければなりません。

師範(9~12サークル)/Warden
刀の熟練を示すために敵に一滴の血も流させずに勝利しなければなりません。

ゴーストマスターの儀式
刀を持ち、型と呼ばれる非常に複雑で美しい踊りを舞います。型には100種類の剣の技が含まれています。型が終わり〈サムライ〉が刀を鞘に収めた時にゴーストマスターは実体化します。

ディシプリンの組み合わせ
〈サムライ〉は通常自らの武器の腕を高めるために他のディシプリンを身につけます。それは、〈射手〉、〈騎兵〉、〈武人〉などのディシプリンです。旅の〈サムライ〉は剣の技を磨くために〈剣匠〉を身につけるのも一般的です。
ディシプリンの選択は通常は〈大名〉にどのように仕えているかが影響します。〈大名〉の目的を遂げることを容易にするディシプリンがあれば迷わずそのディシプリンを取得します。例えば、〈サムライ〉が政治的な扇動の任務につくのであれば〈吟遊詩人〉や〈伝令〉のディシプリンを身につけます。
ディシプリンで知識や精神能力を選ぶことはあまりなくしばしば戦闘技術に特化していきます。しかし、年経た〈サムライ〉が〈大名〉に助言を行う際に的確な助言を行えるように知識系のディシプリンにつくこともあります。

訳注:色々と調べたうえでごった煮にした感じがします。サムライと言うよりはアーサー王に出てくる騎士に近い感じでしょうか。
キャセイが舞台であれば気楽に使えそうですね。流れの〈サムライ〉に訓練された場合であればジポーとのしがらみもありませんし。
バーセイブで使用するとなると奪われた刀を取り返すとか主命などが必要ですね。まあ、成長できないことを考えるとNPC用か単発用になりそうですが。
〈大名〉素戔嗚尊の家に伝わる伝来のスレッド刀、草薙が盗まれて〈サムライ〉軍団がバーセイブになだれ込んでくるとか(笑)
では続いて、〈サムライ〉が扱う武具について見てみましょう。

CPLG P.130
サムライショートソード/Samurai short sword
これはサムライソードのショートソード版でジポーでは脇差しと呼ばれる。この武器には、サムライソードと同じルールが適用されます。

サムライソード/Samurai sword
この強力な刃物はジポーと呼ばれる島国でのみ造られます。これはサムライの公式装備で刀と呼ばれている。多くのキャセイの剣よりも湾曲しており、細身ながら大変重量があります。軽鎧相手なら切り裂くだけではなく突き刺すこともできます。この武器は塔の暗殺者も使用する者もいると信じられています。ジポーの刀は珍しく武器鍛錬を行う刀鍛冶には腕前が要求されます。この武器は非常に頑丈なため武器破壊を試みる場合、武器のダメージステップの3倍のダメージが必要になります。武器壊しのタレントが使用されたのであれば、攻撃者は優成功を出さなければなりません。そして、成功段階につきダメージステップが-1されます。

サムライアーマー/Samurai armor
ジポーのサムライが戦場で身に着ける全身鎧で、"鎧"と呼ばれます。鎧職人が技巧を駆使し、金属と皮により造られ、非常に高性能なものが造られます。しかし、これは大変難しく時間がかかります。これは重装備過ぎるために、日々の業務をこなす際には胸当てだけを身に着けること(サムライパーシャルアーマーとして扱います)があります。鎧は素早い行動を行いやすくデザインしていれば、イニシアティブペナルティーは1となります。

サムライパーシャルアーマー/Samurai partial armor
これはサムライアーマーの一部を外したもので、"胴"と呼ばれます。胸部と首を守り、兜も含みます。胴は追加で100SP支払うことでサムライアーマーにアップグレードすることができます。

訳注:残念ながらあまり飛んだ内容ではありませんでしたね。
ただ、以下のようなアイテムも用意されていますのでご安心ください。

CGMG P.125
切り裂き鎌/Razor kamase
最大スレッド数:2
呪文防御値:14
必要伝説点:ワーデン
塔の暗殺者が用いるこの武器は常に恐怖に彩られています。切り裂き鎌は塔の〈永世者〉に刃向かったものの心臓に恐怖とともに振り下ろされます。切り裂き鎌は通常は二本一組で使用し、刃は魔法により大変硬質であり登山用にも使用することができます。全ての切り裂き鎌はジポーで造られます。スレッドを編まなければ、普通のジポー性の鎌と同じ能力です。ただし、この刃がなまることはなく登山用ハーケンとして使用できます。

1ランクスレッド
鍵知識:使用者はこの二本の鎌を作成した〈刀鍛冶〉の名前を知らなければなりません。
効果:ダメージステップが5になります。登攀タレントに+1されます。

2ランクスレッド
効果:ダメージステップが6になります。登攀タレントに+2されます。

3ランクスレッド
効果:ダメージステップが7になります。登攀タレントに+3されます。

4ランクスレッド
鍵知識:鎌を造った金属がどこから採掘されたものか知らなければなりません。
効果:ダメージステップが8となります。登攀タレントに+4の修正がつきます。

手裏剣/SHURIKEM
最大スレッド数:3
呪文防御値:17
必要伝説点:ジャーニーマン
手裏剣は小さな金属の投擲用武器です。一般的には星形をした平手裏剣と真っ直ぐなスパイクである棒手裏剣があります。ジポーに伝わるもので、非常に隠密性が高い武器です。スレッド手裏剣はしばしば塔の暗殺者によって使用されます。スレッドを編んでいない状態では、普通の手裏剣であり嫌がらせの投げ矢(Repel darts)と同様に扱い投げると失われます。

1ランクスレッド
鍵知識:使用者は手裏剣の名前を知らなければなりません。
効果:手裏剣のダメージステップは2となります。そして射程が以下の値に伸びます。近距離:2~18ヤード、長距離:19~36ヤード

2ランクスレッド
効果:手裏剣のダメージステップは3になります。

3ランクスレッド
鍵知識:使用者はこの手裏剣を作成した〈刀鍛冶〉の名前を知らねばなりません。
効果:射程が以下の値に伸びます。近距離2~22、長距離23~44ヤード

4ランクスレッド
効果:武器のダメージステップは4となります。

5ランクスレッド
鍵知識:使用者はこの使用者の前の持ち主の名前を知らなければなりません。
効果:ダメージステップが5となります。射程が以下の値に伸びます。近距離2~26ヤード、長距離27~52ヤード。

6ランクスレッド
効果:1点疲労し、この武器のダメージステップに+3できます。

7ランクスレッド
効果:名前を呼ぶことで、使用者は手裏剣を手元に呼び戻すことができます。この時、手裏剣の移動速度は1ラウンドに52ヤードです。これが平手裏剣なのであれば、隠している時の発見難易度が+5され、手元に戻る速さが二倍になります。棒手裏剣であればダメージステップ6の近接武器としても使用することができます。

訳注:切り裂き鎌は鎖鎌と勘違いしている気がしますが。ここであげたもの全てに〈叡智の塔〉の暗殺者に関する言及がありました。忍者が出てこないと思ったら彼らがその役になっているのでしょうか。少し、寄り道して暗殺者達を見てみることにしましょう。

CGMG P.79
〈叡智の塔〉の暗殺者/Assassin of the tower
〈叡智の塔〉の暗殺者は8人の〈永世者〉により皇帝の不在中の塔を護るために創り出されました。最重要事項は、五王国から塔の知識を安全に護ることなのです。塔が皇帝にのみ忠誠を誓って以来、8人の〈永世者〉達はどこかの勢力に偏らぬように舵取りを行ってきました。これは継承戦争の間も変わりません。つまり、五王国を何らかの手段で援助することは有り得ないのです。
しかし、塔の目的は知識を共有することにあります。このため、八人の〈永世者〉は外部の者に対しても書庫を使用できるようにしています。しかし、まず最初に〈中立の試し〉が行われます。これはここで得た知識を戦争に関連して使用しないかどうかというものです。この試験を通過した者は戦争に影響がでることに知識を用いないと鮮血の誓いを立てさせられます。そして、この誓いを破った者には即座に暗殺者が差し向けられます。暗殺者達は強力な魔法により対象の所在を常に把握します。誓いを破る代償は死以外にはあり得ないのです。
この死の運び手を訓練する知識がありますが、暗殺者の精鋭を訓練する施設は〈叡智の塔〉にも置くことができず、8人の〈永世者〉は戦争から離れた最適な場所を求めて密使を動かしています。そして、決めたのが島国であるジポーです。カイルの名によって〈大名〉が言うには、彼の土地に複数の暗殺者育成施設があると言うことです。そして、必要に応じて仕事も請け負います。これは8人の〈永世者〉の指示ではありませんが、戦争には影響しないとして黙認されています。それ以来、暗殺者達はジポーにおいて訓練を受けています。
暗殺者達についてわずかに知られているのは、鮮血の誓いを破った者を見つけ出して殺害することを決して失敗しないことです。この恐怖に満ちた評判は彼らが活動する上で不可欠なものです。誓いを破った代償からは逃れることはできないのです。
しかしながら、ジポー島では、暗殺者はしばしば活動しています。〈大名〉カイルは暗殺者達による暗殺を請け負い確実に力をつけています。ジポーにおいて彼らは忍者と呼ばれています。更にカイルは忍者の秘密を知ろうと訓練施設である道場を建てています。今のところ成功の兆しは見えません。

訳注:でてきましたね、忍者。忍者を受け入れた〈大名〉の名前ですが、カイルでいいのでしょうか? 何か意味がありそうなのですが。よくわかりません。

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