歴代AAA

歴史上企業法廷に名を連ねたAAAメガコーポの解説を行います。
追々増えていくはずです
なお、企業法廷についての詳細はこちらをご参照ください。


企業一覧
なお、リンクの張られていない企業は未製作です。
アレスマクロテクノロジーズアズテクノロジーズ渕工業電子レンラクミツハマヤマテツ/イーボ
クロス応用技術五行公司ノバテックホライゾントランシスニューロネットマトリックスシステム
JRJインターナショナルゼーダークルップシアワセ ネオネットスピンラッド工業
参考文献


アレスマクロテクノロジーズ

企業順位:5位(2052年)7位(2061年)6位(2071年)→9位(2077年)
企業スローガン:世界をより安全な場所に!
本社:デトロイト、UCAS
社長/CEO:ダミアン・ナイト
主要株主:

主要株主
2023年2033年2057年2060年2077年
ダミアン・ナイト0%22%23.7%23.7%23.7%
アーサー・ヴォーゲル0%0%2%24.1%24.1%
ギャビランベンチャー0%12.2%12.2%12.2%12.2%
レオナルド・アウレリウス44%22%22%0%0%


21世紀初頭富裕な投資家であるニコラス・アウレリウスはゼネラルモーターズと自分の保有する無数の企業を合併させアレス工業を成立させます。これを成長させ2024年にアレスマクロテクノロジーズとします。
第一次クラッシュ(2029年)の直前にアメリカ合衆国よりNASAを買収しスペースステーションであるチューリッヒオービタルを企業法廷に売却します。これを皮きりに世界的な兵器、宇宙開発企業として力をつけてゆきます。
2033年1月24日、ニコラス・アウレリウスはひどい心臓発作を起こし、息子のレオナルド・アウレリウスにCEOの地位を受け渡します。
そのような騒動に紛れてダミアン・ナイトが誰にも気づかれずにアレスの株式の買収を行い、アウレリウスよりアレスのCEOおよび代表取締役の地位を奪い取ります。
世に言うナノセコンド買収です。
これ以降ナイトとアウレリウスは社内閥として対立を繰り返します。
2040年~50年にかけてナイト主導で企業運営は行われ、その中でナイトエラント警備保障やアレスグローバルエンターテイメントが設立されます。
この2社が劇的な活躍をするのが2055年の昆虫精霊の発見と対抗作戦においてです。
ナイトエラントの精鋭部隊ファイアウォッチの活躍を装飾過剰に紹介したのがアレスグローバルエンターテイメントなのです。
2057年までレオナルドはナイトの代表取締役の座を狙い続けますがナイトはその座を守り通します。
そして、UCAS大統領であるグレートドラゴンのダンケルザーンの死により状況は変化します。
そもそも、ダンケルザーンの大統領選においてアレスは全面的なダンケルザーンのバックアップを行います。
この背景にはナイトとダンケルザーンの同盟関係があり、この時の副大統領であるキールハフェーナーがナイトのエコーミラージュ時代の部下であるアリス・ハーフェーナーの夫であり、ナイトの親友であることでもわかります。
ダンケルザーンはアレスの大株主であるギャビランベンチャーの株式を後のドラコ財団総帥であるナジャ・ダビアーに相続させます。
ダビアーはナイトのことを毛嫌いしていますが、恋人のライアン・マーキュリーが人質に取られた為仕方なくギャビランベンチャーの株式執行権を2年間ナイトに貸与します。
これによりナイトはレオナルドを取締役会より放逐します。
2059年、2年が経過した後ギャピランベンチャーの支配権を取り戻したナジャ・ダビアーはヴォーゲルと同盟を結びナイトの動きを掣肘し始めます。
とはいえ、これまでの実績のあるナイトを放逐するつもりはなかったようです。
これに同期するように、内部からのアレスの掌握を諦めたレオナルドは自らのアレスの株式をアーサー・ヴォーゲル(彼もダンケルザーンよりアレスの役員資格を譲られた人物です)に売却します。レオナルドはこの資金を持って新進気鋭のメガコーポクロス応用技術研究所に投資を行い経営に参画し、反アレス活動に血道をあげます。
ところが、2064年のクラッシュ2.0によりクロス応用技術研究所のCEOリュシアン・クロスが死亡。これによりクロスは崩壊しアレスの敵対買収を受け企業体を維持できなくなります。
そしてレオナルドは再びアレスに舞い戻ります。今回は取締役ではありませんが。
続く2065年ギャビランベンチャーのCEOであるナジャ・ダビアーが謎の失踪を遂げ、ギャビランベンチャーによる株式執行権はレオナルドの息子である“リトルニック”ニコラス・アウレリウスに付与され再びアウレリウス一族がアレスの取締役会に名を連ねます。
2070年代にアレスが鳴り物入りで市場に投入したコンバットライフル、アレスエクスカリバーは致命的な欠陥が見つかります。
揉み消しにこそ成功しますが裏の世界においてアレスの悪名が広がり、信頼の銃器メーカーの評判は地に落ちます。
更に2074年、デトロイトでの取締役会に向けて空路を取っていた“リトルニック”が飛行型昆虫精霊による襲撃を受け死亡。
これによりギャビランベンチャーはの株式執行権は再び帰還したナジャ・ダビアーの手に戻ります。
ダビアーはリトルニック亡き後自身の投票権をニコラス・アウレリウスに貸与します
現在のアレスは昆虫精霊との間断無き戦争とエクスカリバーにより失った信頼の回復にリソースを取られています。
2077年テロによりダイダロス宇宙ステーション療養を余儀なくされていたアーサー・ヴォーゲルが地球に帰還
取締役会でナイトの影響力の強いアレスアームズとナイトエラントへの注力を減少し、アレスコンシュマーとアレスサービスへのリソースの集中を低減するが取締役会で却下される。
その後ヴォーゲルは様々な部署を行脚し自身の支持者を増加させる。
そして、2080年臨時の取締役会においてナイトをCEOから解任する。
折り悪くアレス本社において爆破テロが行われ複数の取締役が行方不明となり、その中にヴォーゲルも含まれていた。
ナイトと生き延びた取締役は緊急事態宣言を行い、再度取締役会が結成されるまで臨時でナイトがアレスの全権を掌握し犯罪捜査と事態の解決に当たると宣言した。

主要株主
ダミアン・ナイト
(ヒューマン、年齢不詳70歳以上、男)
アレスのCEOであるダミアン・ナイトは謎に包まれた人物です。
2033年にアレスの株式の22%を突然買収し政財界に姿を現します。この買収にはハッキングによるものとも噂されますが、結局明確な証拠は発見されませんでした。
ナイトの最有力の正体はUS空軍所属で最初のクラッシュを起こしたウイルスから世界を護ったエコーミラージュのメンバーであるデビッド・ギャプランではないかと言われています。
その後ナイトは創業家のアウレリウス家と対立しながらアレスを世界最大の軍需企業に育て上げました。
正確な年齢は不明ながら80歳に近い年齢であるナイトですがナノテクや遺伝子療法を駆使し30代の外見と肉体能力を保っています。
更にデルタグレードのサイバーウエアと熟練の技術により未だに戦場での指揮が可能なコンバットハッカーの能力を有しています。

レオナルド・アウレリウス
アレスの創業者であるニコラス・アウレリウスの息子であり、長年ダミアン・ナイトとアレスの支配権を奪い合っていました。
ところが、ダンケルザーンの遺言によりアレスの大株主ギャピランベンチャーの支配権が期間限定でダミアンに信託されたことによりアレスの支配を諦め同じくダンケルザーンの遺産によりアレスの株式を譲られた弁護士アーサー・ヴォーゲルにアレスの株式を売却。
この資金を元手にクロスの取締役に加わります。
彼の参加によりリュシアンの私的組織の色合いが強かったクロスが世界的企業として飛躍しました。
ですが、リュシアン亡き後真っ先にクロスを見限り、その崩壊を加速させた人物でもあります。

アーサー・ヴォーゲル
(ドワーフ、60代、男) 元は環境派弁護士。
ダンケルザーンと大統領戦を争い敗北後は政界を離れ企業から環境活動を進めようとシエラ社のCEOとなる。
その後ダンケルザーンの遺言やアウレリウスの暗躍によりアレスの主要株主として環境活動にいそしむ。
爆破テロにより生死の境を彷徨った後、宇宙ステーションのダイダロスステーションと療養し、体長復帰後もダイダロスステーションで活動をしている。
現在はアレススペースのCEOでもある。
テラファーストなどの環境テロリストとも強い繋がりがある。

なお、下記にアレス関連情報がございますのでご興味があればどうぞ。
アレスと昆虫精霊
ナイトエラント


クロス応用技術

本社:ケベック共和国、モントリオール
企業順位:9位(2061年)→アレスによる買収により消滅
主要株主
Drリュシアン・クロス(51%)
レオナルド・アウレリウス(27%)
ジェーン・マリア・クロス(9%)
ジェゼベル・スラッテウ(3%)

2034年、ルシアン・クロスはクロスマトリックス技研を立ち上げます。これより前にはルシアンはアクエイション技研と言う企業でマトリックスベースの企業スパイをしていたようです。この知識を生かしルシアンは無数の企業買収を行います。
このアクエイション技研の研究部門には2032年までデビッド・ギャピランが在籍しておりルシアンとは互いに認め合った仲でした。

この買収の資金はダミアン・ナイト/デビッド・ギャピランのアレス社に対するナノセコンド買収のインサイダー情報を利用した投資により稼ぎ出したと言われています。

そして、2044年クロスの社名はクロス応用技術に変更されます。

このクロスの躍進を助けたのが、グレートドラゴンダンケルザーンの支援と諜報防諜組織であるセラフィムです。
クロスはアーコロジーを持たない唯一のメガコーポと言われていましたが、この状況を維持できたのには2つの要因があります。
1つはケベック共和国が外国企業の展開に制約を課しており市場として守られていたこと。
1つはモントリオールが実質的にクロスの企業封土となり、その国境線をセラフィムが保持していた点です。
セラフィムの防諜能力は非常に高くスパイのみをより分けて的確に排除していました。
そして、セラフィムのスパイネットにより常に優位な情報戦を展開し経済的アドバンテージを築き上げました。
更に拡張して言えばセラフィムはケベック共和国に浸透しておりリュシアンがケベックを動かしていたといっても過言ではありません。
2053年にクロスがAAのレートを手に入れるとリュシアンの命が狙われ始めます。
これはクロスがアレスの子会社であったバイオレボの買収に伴い火花を散らしていたダミアン・ナイトの指示だともっぱらの噂でした。
とはいえ、この戦いは終始アレス優位に展開しており、クロスはケベックの独占的輸出輸入規制とセラフィムによりかろうじて生き延びていた状況です。

ところが2059年、元アレスの代表取締役レオナルド・アウレリウスがダミアン・ナイトからアレスの支配権の奪取を諦め自身の株式を売却し、その資金でクロスの取締役の席を確保します。
レオナルドの移籍により、アレスの内部情報の提供とクロスの組織として洗練化は進みクロスの能力が増大していき、2060年にはついにクロスは企業法廷の議席を手に入れます。
このためにセラフィムがかなり暗躍したようです。

このままこの世の春を謳歌するに見えたクロスですが、2064年のクラッシュ2.0に伴う飛行機事故によりリュシアン・クロスが死亡。
これによりリュシアンのカリスマにより保持されていたクロスは瓦解を始めます。
最初にクロスを見限ったのはレオナルド・アウレリウスであり彼は自身の持っていたクロスの子会社を手土産に宿敵ダミアン・ナイトの軍門に下る形でアレスに戻ります。
そして、リュシアンの株式を相続した息子達は最後まで父の帝国を守ろうとしますが、彼らにその実力はなくクロスはアレスに飲み込まれる形で消滅します。

その後、セラフィムのメンバーはアレスに従うことを良しとせず、地下に潜みアンチアレスネットワーク『フォーリン(堕ちたる織天使)』として暗躍しています。
クロス時代に構築されたスパイネットは健在であり、これを基盤に他のメガコーポからの資金援助やクロスの遺産の活用により様々な影響を与えています。
もちろん、フォーリンはクロスのものであったケベック共和国を蚕食するコンソーシアムに対しても敵意を燃やしています。

ケベック共和国は大黒柱であるクロスを失ったことにより他社メガコーポの合同コンソーシアムの成立を阻止できず実質的に経済を牛耳られることになります。
これにより社会不安も拡大しておりケベック共和国は大きく揺れています。

主要株主
リュシアン・クロス
CEO/社長。
AAA獲得時、すでに70代でありながらハードワークをこなす天才マトリックスエンジニア。
ケベック共和国の政治の舵取りも行っていた切れ者。
クロス応用技術という企業はリュシアン・クロスという天才の目標を現実化するために存在した研究志向の企業であり、そのような企業がビッグ10になり得たのはリュシアンの能力と人間的魅力によるものと言えるでしょう。
故人。

レオナルド・アウレリウス
アレスの創業者であるニコラス・アウレリウスの息子であり、長年ダミアン・ナイトとアレスの支配権を奪い合っていました。
ところが、ダンケルザーンの遺言によりアレスの大株主ギャピランベンチャーの支配権が期間限定でダミアンに信託されたことによりアレスの支配を諦め同じくダンケルザーンの遺産によりアレスの株式を譲られた弁護士アーサー・ヴォーゲルにアレスの株式を売却。
この資金を元手にクロスの取締役に加わります。
彼の参加によりリュシアンの私的組織の色合いが強かったクロスが世界的企業として飛躍しました。
ですが、リュシアン亡き後真っ先にクロスを見限り、その崩壊を加速させた人物でもあります。

ジーンマリー・クロス
代表取締役
リュシアンの長男で取締役の運営を滞りなく行っていたが、あくまで父の意向を遂行する存在であった。




ホライゾングループ

企業順位:10位(2071年、2077年)
社是:皆が何を知りたいか我々は知っている
社長/CEO:ガリー・クライン
主要株主:非公開(私企業)

2061年、ロサンゼルスが暴徒に埋もれ、カリフォルニア自由州からプエブロ企業評議会に所属が移る中、ホライゾングループの母胎となるホライゾンプロジェクトは産声をあげます。
このプロジェクトには無数のシンクタンクと無数のハリウッドスターが名を連ね、様々なアイデアを出し合い現実化するための方策を模索しました。
このプロジェクトには施設や形ある設備こそありませんでしたが、優秀な人材に幅広い交友関係、要求を通せる交渉力、潤沢な資金がありました。
2062年ホライゾングループが成立した時点でメディア、マトリックス、ソフトウェア、製薬、生体医療、都市開発などの技術を確保していました。
続いて様々な企業買収を進め瞬く間にAAの地位を獲得します。
2064年のクラッシュ2.0の直撃により世界中が壊滅的な打撃を受ける中ホライゾンは奇跡的に一切被害を受けることなく乗り切ります。他社が無数のデータを失う中にです。
この結果ホライゾングループは世界で最もメディアデータを保持する企業となりました。
更にワイヤレスマトリックス技術を確立させていたことにより、他社が自社の復旧にリソースを割かれる中、他社や他国の復旧により大きな利益をあげます。
そして、2065年企業法廷の議席を求め密室会談の結果議席を得ます。
その後も買収を進めメディア、電子機器メーカーとして更なる地歩を稼ぎます。

全てが順調に見えるホライゾンですがいくつかの致命的な失策も目立ちます。
それはホライゾンの作成した囚人の社会復帰プログラムに従い釈放された囚人によるシムスターの殺害とテクノマンサーの虐殺です。
これらによりホライゾンの在り方に暗い影を落としています。




リチャード・ヴェイラー、その遍歴

JRJ、渕、ノヴァテック、ネオネット、そしてスピンラッド。
これらのAAAを彩ってきたメガコーポには1人の男の影があります。
彼こそリチャード・ヴェイラーであり第六世界有数の企業乗っ取り屋です。
ケチなスクラップ&ビルドで小銭を稼いでいた乗っ取り屋がいかにのし上がり食い物にされたメガコーポがどうなったかを解説することで何故今スピンラッドがビッグ10の一角を担うかの説明に繋げていきたいと思います。
その中で歴代AAA企業の解説を挟んでいくため見にくいテキストになりますがご容赦ください。


マトリックスシステム社
2032年若手の企業乗っ取り屋であったリチャード・ヴェイラーはスクラップ&ビルドにより急速に利益をあげ確実に頭角を現します。
2030年代はクラッシュから世界を救ったエコーミラージュの技術をいかに民間に転用しブレイクスルーを出すかにコンピューター業界が沸き立っていた時期でもあります。
2033年、ヴェイラーの投資しているベンチャーキャピタルにとあるコンピューター会社が融資の依頼に現れます。それがボストンに本拠地を構えるマトリックスシステム社です。マトリックスシステム社2033年下期にデスクトップサイズのサイバーデッキの試作機を発表しにサイバーデッキを使用できる環境を整える先鞭をつけた企業です。
これにヴェイラーは目をつけました。
とは言え、当時は有象無象のベンチャーメーカーであり(上記の発表会では失敗をしています)何故ヴェイラーがこのメーカーを欲しがるのか理解はされませんでした。
マトリックスシステム社のオーナーであるケン・ローパーとミカエル・エルドは企業を売却したいのではなく、投資を求めているとしてヴェイラーから融資は受けるもののヴェイラーの保有株式は49%に制限をします。
2034年マトリックスシステム社はエコーミラージュ以外では世界初のデスクトップサイズサイバーデッキを販売しわずか一週間で世界を席巻し、ローパーとエルドはヴェイラーから株式を買い戻すのに十分な資産を作り上げます。
ところが発売の6週間後にローパーとエルドは事故死を遂げコンピューターシステムが完全に破壊されます。これはエコーミラージュの技術が拡散することを嫌ったUCAS政府の仕業と言われていますが真相は不明であり何かしらヴェイラーが関わっていたのではないかと言われています。
ヴェイラーは残りのマトリックスシステム株を二束三文買いたたき、1ヶ月後マトリックスシステムのバックアップテープと次世代サイバーデッキの試作機を餌に渕工業電子に接触します。


渕工業電子

本社:日本帝国、東京
企業順位:2位(2054年)形態:私企業
主要株主
リチャード・ヴェイラー(35%)
史継・中臣(なかとみしけい)(32%)
小鈴・山名(やまなこりん)(30%)
(上記保有株式は各勢力の保有株式であり個人で所有しているわけではありません)

渕は2017年に1989年のバブル崩壊から復活するために当時電機メーカーとして著名な山名電機とデキタ工業が合併し成立します。
その後順調に業績を伸ばし2034年時点で渕は家電製品とコンピューター分野において大企業として存在していました。
当時の渕を支配していたのは山名家(山名電機系)と中臣家(デキタ工業系)でした。

ヴェイラーは渕にマトリックスシステム社の技術と引き換えに渕の1/3と南北アメリカの支配権を要求します。
当初はこの提案に対して反対者もいましたが渕内部での抗争の結果(殺人すら行われました)ヴェイラーの提案は受け入れられ渕のCEOにリチャード・ヴェイラーが、警備責任者にヴェイラーの腹心であるマイルズ・ラニアーが就任します。
これにより渕アメリカをヴェイラーが、渕汎ヨーロッパを山名が、渕アジアを中臣が支配し互いに争いながら渕の運営をしていました。

ここで勢いをつけたヴェイラーは更なる企業買収に乗りだします。
それは企業法廷の一角を占めるJRJインターナショナルです。




JRJインターナショナル

この会社に関しては資料があまりありませんがいわゆる多角経営により成果をあげていたメガコーポのようです。
企業法廷成立時のビッグ7の一社であり俗に“ゴールドチケット”と呼ばれる永世企業法廷議席権を持つ企業です。
シャドウランにおいて規模が劣るメガコーポに企業法廷の議席を与えるための機能と割り切るのが良いかもしれません。

世界に先駆けてサイバーデッキを市場に投入したことによる資金力とヴェイラーの手話により渕はJRJインターナショナルを買収し渕はJRJインターナショナルの議席を貸与される形で企業法廷の議席を得ます。

これにより不動の地位を得たかに見えた渕ですが、2057年に死亡したダンケルザーンの遺産により崩壊が始まります。
その遺産の中にヴェイラーの腹心であるラニアーに対してレンラクの株式400万株と役員視覚を譲り受けます。
これを受けラニアーは渕からレンラクに移籍し、渕時代の様々な知識を利用してレンラクの経営に携わります。
同時にヴェイラーは10万株の渕社の株式を受け取ります。これはおよそ渕全体の2%に当たり渕全体を完全に支配するには足りませんが、今後の布石となる重要な株式となりました。
翌年にはレンラクから新しいICEプログラムが市場に投入されラニアーの知識が利用されたものでした。
また、ヴェイラーの支配権増大に危機感を感じた山名と中臣は共同してヴェイラーの封殺に乗りだします。
初期こそ対応を考えていたヴェイラーですが渕はあくまでも中臣山名の企業であり彼らの影響力の排除を行うことはできませんでした。
そこでヴェイラーは渕から離脱を計る方策を練り始めます。
結果莫大な損害を受けた渕は2059年レンラクを機密情報流用により企業法廷に提訴します。
レンラクがこの要求を退ければオメガオーダー発動もありえましたが、ラニアーは自身の株式をチューリッヒ軌道銀行に市場価格で売却することで話をまとめます。

レンラクの脅威が取り除かれた時点で渕内部のタガが外れ武力闘争を含む完全な内乱状態となります。
渕アメリカと企業法廷への影響力を維持したヴェイラーはノヴァテックの成立と自身の持つ渕の株式の半分を市場に売却すると宣言します。
ノヴァテックはヴェイラーインターナショナルとケンブリッジホールディングスとの合併により成立し、ケンブリッジホールディングスはヴェイラーが莫大な資金を投入し渕アメリカの中核企業の引き抜きを行っていた企業です。
結果的にノヴァテックは渕アメリカの主要部門で構成されることになります。
そして、渕アメリカにはJRJインターナショナルが含まれており、JRJインターナショナルはノヴァテックに含まれるのです。
これが渕にトドメを刺すことになります。
渕の企業法廷の議席はノヴァテックに移ったのです。
この時点で渕の株式の49%づつを山名と中臣で保持しており残り2%をリチャード・ヴェイラーの別れた妻であるサマンサ・ヴェイラーが保持していました。
サマンサと山名は株式譲渡の条件として2年間の相互不可侵条約を取り交わします。
ところが渕の支配権を奪われ、自らの帝国を崩壊させられた中臣は山名とヴェイラーを信用せず、2060年ラニアーがチューリッヒ軌道銀行に売却した400万株を購入し対ヴェイラー戦線構築のために渕アジアをレンラクと合併します。

山名が渕を支配しましたがすでにメガコーポの影響力は無く敵対的買収の餌食になる未来が見えていました。山名は合併先をシアワセに定めフィリピンに本拠地をおくシアワセ環境開発のCEO光子・幸(ミツコ・シアワセ)と結婚し渕汎ヨーロッパはシアワセに吸収されます。
光子はシアワセのCEO正の姪で、90歳と30歳の結婚でした。
2060年2月28日、渕工業電子が正式に消滅します。




ノヴァテック


本社:UCAS、ボストン
社長/CEO:リチャード・ヴェイラー
形態:私企業
企業順位:10位(2058年)→合併により消滅
主要株主
リチャード・ヴェイラー(65%)
サマンサ・ヴェイラー(7%)
マイルズ・ラニアー(3%)
トランス・ラトヴィアエンタープライズ(24%)
ダレン・ヴェイラー(1%)

ビッグ10の10位に位置することになったノヴァテックですが、本来ならビッグ10の一角を占める規模にはありません。
にも関わらずビッグ10の一角を占めているのはJRJインターナショナルのゴールドチケットとヴェイラーの企業戦術によるものです。
ノヴァテックは当初渕から奪った事業とラニアーの内部情報を元にしてレンラクから奪った事業を中核に進展します。
トランス・ラトヴィアエンタープライズはヴェイラーが関わってはいないもののヴェイラーに親しい投資ファンドか何かのようです。
当然ながらレンラクに強い敵意を向けられているノヴァテックですので、アレスやクロスとのアメリカ同盟を結成し保全を図ります。この同盟はアレスとクロスの関係が緊迫していることもあり非常に危うい同盟ではありましたが、レンラクは2059年より発生したいわゆるレンラクシャットダウンにより他社にさかれるリソースを失ったこともありノヴァテックは命脈を繋ぎます。
この間隙にノヴァテックは潤沢な現金と渕時代に築いたブランドバリューにより急速な発展を遂げます。
ところが、ダンケルザーンの遺産を受け取った元渕アメリカのコンサルタントであったアーサー・ダンクワルサーはヴェイラーへの渕崩壊の責任を問うために対ノヴァテック企業への支援を行います。
これによりノヴァテックのキャッシュフローは悪化し、上場により資金調達をするしか無い状態に追い込まれ、上場の準備を進めます。
上場により多額のキャッシュフローを手に入れたノヴァテックですが、その上場を利用した終末カルトウインターミュートと第一世代AIのゼウスによりクラッシュ2.0が発生し、世間からノヴァテックはクラッシュ2.0の原因であるかのような悪評にまみれます。

一方サイバー技術の巨人トランシスニューロネットと大手通信会社エリカ(ノキアとエリクソンを母体とする)はワイヤレスマトリックス構想会議というジョイントベンチャーを持っており、これを推し進め完全に合併する道を探していました。
そんなおりに上場により多額のキャッシュと広範な販売網を持つノヴァテックにエリカのCEOであるアンドリュー・マルムシアンが接近します。
伸び悩んでいたヴェイラーに取っては非常に魅力的な話であり、ヴェイラーはこの提案を受け入れます。
この合意成立の裏には新会社をドラゴンが支配するトランシスニューロネットに奪われたくないというマルムシアンの意図がありました。
マルムシアンはセレディともめていたトランシスニューロネットの株主であるヒルデブラント・クレインフォート・バーナルを説得しトランシスニューロネットの支配権を奪取します。
これによりエリカとノヴァテックの経営陣と開発責任者のトランシスニューロネットの体制となります。
これにより2060年代後半ノヴァテックは合併しネオネットの一角となることで消滅します。


トランシスニューロネット
本社:エディンバラ、スコットランド
CEO:ペル・エングストロムン

2013年から2017年にかけてイギリスの4つのハイテク企業がアメリカや日本の企業による技術独占に対抗するために合併して生まれます。
主に医療用サイバーウェア分野でシェアを伸ばしイギリスの中央研究所の地位を獲得し、確実影響力を増大していきます。
2044年にはカーリアンに研究所を完成させます。
この地は2013年に現界していたセレディの確保していた土地でしたが、彼の協力のもと円滑に研究所は完成しました。
2054年にロンドンで起きた切り裂きジャックのペルソナフィックスBTLを使用した連続殺人事件が発生し、この影響を受けトランシスニューロネットの株価が大暴落します。
このタイミングでロンドンに本拠地を置くヨーロッパ最大の銀行ヒルデブラント・クレインフォート・バーナル(HKB)が大規模な株式の買収を行います。
これはHKBが世界的な通信企業の支配権を欲した為に行われた買収であり、これを許せば研究ファーストの企業でなくなる可能性があるとセレディは感じました。
これに危機感を感じたセレディは取締役会に自身の代理人であるィオナ・ブラレスを送り込みHKBを牽制します。
しかし、努力虚しく2058年にはHKBが取締役会を掌握しCEOのサー・レイン・グレイグを解任し、ライアム・リレリーへと挿げ替えます。
これに激怒したセレディは水面下で暗躍し取締役会の70%を掌握し取締役会に挑みます。
2062年に取締役会において公開でのライアム・リレリーへの不信任決議案を提出。
この結果ライアム・リレリーはCEOから降り、新任のCEOとしてフィオナ・ブラレスが就任することになります。
これにより研究ファーストとして地位を死守したものの株式を掌握したわけではないためHKBとセレディの暗闘は続きます。
ところが、2060年代後半トランシスニューロネットはワイヤレスマトリックス構想会議というジョイントベンチャーをエリカと共に立ち上げます。
このワイヤレスマトリックス構想はうまくいき正式な合併準備を進めることになります。
この合併の動きが進行する中セレディはエリカの市場株を買い集めることでエリカの過半数の株式の獲得を目指しました。
トランシスニューロネットで行ったHKBとの暗闘を新会社でまで行うことは耐えられなかったのです。
この動きに気が付いたエリカのCEOマルムシアンはHKBと打ち合わせを行い、HKBの持つトランシスニューロネット株を買い取ります。
マルムシアンはトランシスーエリカ社の支配権を確保しヴェイラーと秘密交渉を行い合併の話を勧めます。
そして、セレディが対応をする前に合併しネオネット社の成立にこぎつけます。
これによりヴェイラーがCEO、マルムシアンが代表取締役、セレディが開発担当役員という一段落ちた役職に就くことになります。
結果的にこの不満のある状況によりセレディは秘密計画プロジェクトイマーゴを進めていきCFD渦を引き起こすことになります。


※ヒルデブラント・クレインフォート・バーナル(HKB)
ヨーロッパ最大の銀行である一族会社。
2位がチューリッヒオービタルドイツ支店とゼーダークルップという強さ。
現在のCEOはポール・バーナル2世。
バーナル一族の一族会社ですがこっそりグレードラゴンロナヴィが株式を持っている。




ネオネット
企業スローガン:明日を引き寄せるネオネット
企業順位:2位(2071年)→8位(2078年)→解散(2080年)
本社:UCAS、ボストン→CASセントルイス
主要株主:
リチャード・ヴェイラー(22%)
アンドリュー・マルムシアン(18%)
セレディ(13.5%)
トランシス・ラトヴィアエンタープライズ(11%)
サマンサ・ヴェイラー(7%)
マイルズ・ラニアー(4%)
代表取締役:アンドリュー・マルムシアン
CEO:リチャード・ヴェイラー

マトリックス構想会議の実績と技術を引き継ぎ潤沢な資金もあり全ては順調に行くように見えました。
最初の陰りは過激化していくグレートドラゴンアラメイズとヒュアルパの活動でした。
彼らはドラゴンの体を素材として販売したタリスモンガーやそれらを使用するユーザーを殺害し始めます。
必然的にドラゴンに対する世論は悪化し、開発総責任者にグレートドラゴンをおくネオネットの評価もあわせて低下します。
これによりネオネットは売上などを中心に打撃を受けます。

もう1つの打撃は栄光の階段からの転落でした。
ワイヤレスマトリックスの第一人者であったネオネットに企業法廷のセキュリティーコンサルタントダニエラ・ド・ラマーは新マトリックスシステムの共同開発を持ちかけます。これにより現在の堅牢な新マトリックスプロトコルが完成します。
しかし、この技術はセレディによるプロジェクトイマーゴというAIに対する非人道的な研究を土台としたものでした。
そしてその研究施設からの脱出を図ったAI達によりCFDが引き起こされることになったのです。
そして、CFDの最初期の罹患者にはヴェイラーの腹心であるマイルズ・ラニアーがおり、彼はひっそりと歴史の表舞台から退場します。
これらの事実を踏まえた上でセレディはEゴーストとなっていた腹心のドラゴンであるエリアハン/ケルベロスを肉体にダウンロードを行います。
ところが、この作業は失敗に終わります。
結果的にボストンロックダウンと呼ばれるCFDがボストンに蔓延する事件を引き起こします。
これによりヴェイラーは共にネオネットを支えていた二人の家族を失います。
更に長年シアトルをマネージメントしてきた元妻サマンサは病死しヴェイラー帝国の崩壊は加速します。
中核メンバーを失い、ボストンの施設に打撃を受けたネオネットは本社をセントルイスに移転し立て直しを図ります。
最終的にUCAS政府より企業法廷にネオネット、レンラク、ミツハマはボストンロックダウンを阻止できなかった責任を追求され多額の賠償金を要求されます。
この賠償金がトドメとなりネオネットは再びノヴァテック、トランシスニューロネット、エリカの三社に分割し存続を図ります。
ここでヴェイラーはスピンラッドと交渉しネオネットの資産を売却します。その代償にJRJインターナショナルの持つ企業法廷の議席はスピンラッドに貸与されます。
また、セントルイスの本社はノバテックが継承しCEOは娘のキャロラインが継承し、マルムシアンのエリカはアフリカに本拠地を移し事業を展開し、セレディのトランシスニューロネットは元の本社に戻ります。
セレディにすでに企業経営の意思は無く遠からずアレスやゼーダークルップと合併するのではとも噂されています。




スピンラッド工業/Spinrad Industries
下記スピンラッドの解説はShadowWIkiの翻訳になります。
http://shadowrun.wikia.com/wiki/Spinrad_Industries

本社:ポルトガル、リスボン
社長/CEO:ジョニー・スピンラッド
企業形態:私企業

スピンラッド工業はポルトガルのリスボンに本社を置くAAメガコーポレーションです。これはジョニースピンラッドの私企業であり攻撃的な経営方針を採っています。

歴史
スピンラッド工業の成立は2024年で、スピンコープとインダストリーフューチャリティーズの合併をジョニーが行ったことにより成立しました。
2026年、スピンラッドはジョニーが2度目の脊髄手術を受けた後、サイバネティクスとバイオテクノロジーの開発に集中的な投資を行い競争に飛び込むことになりました。
2040年代には、企業はファッション、贅沢品、芸術、スポーツ、旅行などの分野でも影響力を手に入れていました。
2051年、スピンラッドは中小企業を糾合し、フランス政府によるモナコ復興プロジェクトのための入札と公国のため50年リースを獲得しました。その直後、スピンラッド工業がスピンラッドR&Dによってマルセイユにて行われいた違法な実験を、ソルメディアのマデリン・ミュラーによってすっぱ抜かれます。フランス政府は企業法廷より先にスピンラッドを起訴し、最終的に20億ニュー円の罰金と法人格をAAからAに格下げを行い、実質的に企業への死刑宣告を行いました。
しかしながら、ジョニースピンラッドとスピンは生き延びました。2063年スピンラッド工業はスポーツ用のスピンXシリーズとファッションサイバー、軍事用スイーツのテックウォーリアーにより復活を遂げます。この際に日本企業の空山に接近し、昔ながらのメディアと高級市場にも帰還を果たします。
2072年スピンラッド工業は企業法廷よりAAに格付けを受けます。この背景にはスピンラッドが新ヨーロッパ経済共同体とマンハッタン開発評議会の両方に加盟したことが大きく影響しています。そして、他の世界中のメガコーポとの共同ベンチャーをなどにより急速に世界中へと拡大していきます。
2077年の企業法廷によるメガコーポ監査によると、スピンラッドは最も攻撃的なAAメガコーポであり、他の企業の買収や合併によりシェアアップや世界市場への進出を邁進していると言うことです。新規の買収としてリージェンシーメガメディア、アエギスコグナイト、ルジーアダポルト大学などがあります。ソルメディアの買収は自らの帝国を破壊したメディアコングロマットを破壊すると言うスピンラッドの20年来の悲願でもありました。
2080年、ネオネットのボストンロックダウンに伴う解体の中、スピンラッド工業はグローバルサンドストーム社と合併し、スピングローバル社となります。そして、ネオネットの保持していた企業法廷の議席を受け取りAAA企業となります。




EVO/ヤマテツ
企業スローガン:生命に変化を
企業順位:7位(2052年)→6位(2060年)→7位(2071年)→7位(2078年)
本社:日本帝国、京都→ロシア、ウロジオストック
主要株主:

主要株主2057年2060年20712077年
代表取締役芝小路忠ユーリ・芝小路一定せず一定せず
社長岩野猿岩野猿ユーリ・芝小路ユーリ・芝小路
CEO岩野猿岩野猿アナトリー・キリレンコ不在
芝小路忠14%0%0%0%
バタカップ11%27%29%30%
ニュートン・チャン5%5%0%0%
ユーリ・芝小路0%19%22%23%
吉田英雄5%5%5%4%
岩野猿1%11%0%0%
岩野蓮0%0%8%8%
ロモノフ・ディゾン5%5%3%2%

ヤマテツは2032年柴小路忠の敦賀国際運輸を中核として成立しました。
当初フィリピン人と日本人の共同体を造り上げ日本企業による不本意な買収を防ぐことを目的としていました。当初フィリピン人と日本人の株式保有量は50%づつでした。
当初軍事兵器やメタヒューマン市場への展開を志しました。
そして2041年企業法廷の議席を目指し暗躍し弱小企業同士の武力闘争をうまく操ることで地歩を築いていきます。
そして、2042年対日本企業同盟を求めたアレス、アズテク、ゼーダークルップの後ろ盾を得てヤマテツはAAA企業となります。
しかし、ここで転機が訪れます。若き日本人取締役である吉田英夫は他の日本人取締役を取りまとめフィリピン人の株式買収に乗り出します。この背後にはヤクザやヒューマンネイション、他の日系メガコーポなどの勢力がついていたと言われています。
これにより多数派の立場を確保した吉田は更にフィリピン人取締役の粛正を進め、ついに柴小路から代表取締役の地位を奪い取ります。
ところが、この多数派工作は思わぬ副産物をもたらしました。市場に流れたヤマテツ株の11%が謎の人物による買い占めを受けたのです。
吉田は日本の敵対的買収を疑い株主総会を開き謎の人物を待ち受けました。
そして、株主として現れたのは10代の女性であり自らをバタカップちゃんと呼んで欲しいと告げ会場を沈黙させます。吉田に代表取締役の地位を奪われた柴小路はバタカップに購入金額の倍で買い取ると提案をしましたがバタカップは拒否し取締役の席を要求しました。これに反対することができる者はおらずバタカップは取締役会の一員となりました。
2050年までの8年間吉田はヤマテツを支配し巨大な日系メガコーポの立場を確保します。
2050年柴小路は代表取締役の地位に返り咲きます。これを機にヤマテツは親メタヒューマンの立場を明らかにします。
これはヒューマニス国家である日本帝国や他の日系メガコーポの激しい反発を受けることになります。
そして、バタカップは2050年に自らが自由精霊であることを明らかにし積極的な企業運得に乗り出します。
バタカップ、柴小路、親メタヒューマン派であるチン、フィリピン人リーダーであるディゾン(反日本)を糾合し対日本企業同盟を結成しました。
そんな闘争の最中吉田は自分の子飼いである岩野を社長に据えヤマテツ内部の暗闘は激化していきます。
2059年1月7日柴小路忠は発作により意識不明に陥ります。これにより忠の株式は社長の岩野が代行し反メタヒューマン企業に舞い戻るかに見えました。
ところがその6週間後忠は息を引き取り、その株式は息子のユーリに継承されます。
そして、吉田によっては不幸なことにユーリはオークだったのです。
バタカップは少数の株主から株式をかき集め、ユーリの後ろ盾となります。
ユーリは亡き父の代表取締役の地位を継ぐと宣言し、その2日後に凶弾をみまわれます。
それを受けたユーリは臨時取締役会を召集しヤマテツ本社を京都から自らが40年生きてきたウラジオストクへの移動を宣言します。当初反対多数であった取締役会ですがバタカップの25分に及ぶ演説により風向きが変わります。
ディゾン、バタカップの支援により賛成を取り付けたユーリはヤマテツをウラジオストクに移転を確定し、五行公使などの他の環太平洋企業との同盟を組み対日本企業同盟を構築します。
2年後ヤマテツはウラジオストクに移転し新たにPPG(環太平洋銀行)の後ろ盾を得て日本からの脱却を目指します。
この背景には地脈の乱れからの日本帝国を襲う大震災をバタカップが予見していたと言う噂もあります。

2062年、ユーリはメトセラ症候群(オークの急激な加齢症状)の影響を受けCEOの地位を降り治療に専念すると宣言します。
そして、2064年のクラッシュ2.0において柴小路忠の盟友にしてユーリ不在のヤマテツを運営してきたチャンが亡くなります。
これによりヤマテツ本社の支配力に亀裂が入り各地区部門の暴走が始まります。
この混乱を収束するためにユーリは再び表舞台に現れチャンから継承した株式とバタカップの株主により株式の過半数を抑え社長の岩野に混乱の責任を追求し、切腹に追い込みます。
そして、ユーリは臨時CEOの地位につきヤマテツの再建に取り組み再統合を果たします。
このユーリの急速な若返りはナノテクによる若返り処置では現実的ではなくバタカップによる精霊の契約やクローンなど様々な噂が囁かれました。
ただ、クローンは2070年ならともかく2065年には不可能とも言われています。

この2065年から2066年にかけて改革に際して無数の取締役とエグゼグが入れ替わりました。この中で代表取締役も様々な人物の手を渡り歩きました。
そして、最後にアナトリー・キリレンコのCEO就任が公表されます。
キリレンコはロシア空軍出身であり火星への有人渡航ミッションを大成功におさめた人物です。
ヤマテツでは初めての日本人以外のCEOでありウラジオストク出身の人物でした。彼はロシアの政財界の裏にも表にも通じておりイーボがより強力にロシアに根を張る手助けをしました。
もちろん、その後ろ盾はバタカップです。

そして、社名を進化を意味するEvolveからEVOに変更します。
これに伴いいかなる知性体も差別しないと宣言し瞬く間にメタヒューマンの雇用数が世界一となります。
また、キリレンコよりクラッシュ2.0の原因がAIであっても敬意を払うとの異例のコメントが発表されます。
この中で互助的な組織が形成されてゆき種族の前にイーボ市民であると考える思考が定着します。

このクラッシュ2.0に伴う騒動が一段落した辺りで、つまりユーリ・バタカップが株式の過半数を掌握したあたりで社内の暗闘は落ち着きイーボはより普遍的によりマッドに進化し始めます。
従来より身体改造技術に注力するメガコーポでしたが、この改造により人類の進化を指向し、それが前面に出始めます。
これはAIやeゴーストを研究するディッキンソンプログラムや火星植民地の建設とそのテラフォーミングなどに強く現れています。
メタプレーンと物理世界の融合した領域を持つティルナノーグにはメタプレーン生物の生物学的研究を打診しています。
この火星植民地は2075年のCFD渦の最中に一度交信が途絶えます。極度な身体改造により最初に大規模な影響を受けたグループの1つなのです。
ところが、そんなCFDの影響を受けた人類であるモナドをも受け入れたイーボは火星植民地の管理運営をモナドに任せ人類とは異なる思考により技術開発を進めます。
特にモナドの中には他社や政府の機密を持っている者もおり、それらの知識がふんだんに投入されたことも技術開発が加速した原因の1つです。
実際にイーボの深宇宙探索植民計画(DSECI)ではモナドが積極的に参加しており、探査船建造のためのための研究開発進み出発するのは2079年になります。
そして、2077年イーボのCEOであるアナトリー・キリレンコが凶弾に倒れます。
この後任人事が紛糾します。なぜなら新たなCEOはイーボの方向性を左右する存在であるからです。
この結果AI、自由精霊、ナーガ、ヒューマンがCEOの座を奪い合い様々な勢力が背後で暗躍しました。
このCEOレースの結末が見つかりません。結局無難なアブヒ・カラがCEOの座に付いたのかもしれません。
カラはインド連合出身のヒューマンでSURGEによりナルタキ(手が6本、目が3つのメタバリアン)になりました。この時点ではイーボインドの担当副社長をしています。
2078年後半にイーボ、ネオネット、アズテクノロジーの三社がUCAS政府から企業法廷に提訴されます。
最終的に有罪判決を受けたのはネオネットのみとなります。
2079年、イーボの深宇宙探索船は火星のガガーリン基地から出航します。
重力を制御する機関を内蔵して。
この技術は民間転用を目指しアフリカ研究所で製品開発が行われています。
重力制御が小型化し個人装備として使えるようになれば工業分野の世界を変えるものになるでしょう。
試作レベルでは重力鎧や盾、重力制御グレネードがあるようです。
これらの親モナドな現状はモナドが第二のデウスとなり新たなシャットダウンを引き起こさないかと危惧する声もありイーボの立場は相変わらず不安定な状態です。

さて、こんなトンチキなイーボですが特殊部隊の話があまりありません。
せいぜいトランシスヒューマンリーグぐらいでしょうか。
トランシスヒューマンリーグはイーボ内部の組織ではありませんが人類の更なる進化を希求する組織でイーボと密接な関係にあります。人類の進化を旗印に様々な技術供与がイーボから行われており非常に危険な組織であるとも言えます。
また、キリレンコがヴォリーと強い繋がりがあったことからもヴォリーと密接な関係にあります。

主要株主

ユーリ・柴小路
オーク、男性
イーボの創設者である柴小路忠の息子。和名は由紀。
オークへとゴブリン化したために忠により母と共にロシアに放逐されていた。
忠の死に伴い遺産を継承しヤマテツの経営を引き継いだ。
バタカップとは師弟であり同じ目的を目指す戦友の関係。
バタカップとユーリの秘書を務めるジュリア・サンチェズと言うエルフ女性がいる。

バタカップ
自由精霊、女性
突然現れイーボの取締役になった精霊。
第五世界(つまり覚醒前に)に召喚された自由精霊。
元々は優れた自分とそれ以外と考える精霊でしたが、何らかの事情でダンケルザーンからの教育的指導(SINレスのオークの肉体に1年と1日閉じ込める)を受けた後種族間の不平等をなくすために躍進を始める。
ダンケルザーンからは経済についても学んだらしく将来のありそうなメガコーポの株式を保有し始める。このうち1社がヤマテツである。
バタカップ自身はダンケルザーンの存命中は見て学ぶことに専念し、彼の死後自らの目的を目指し忠の支援を始める。
その後日本帝国の天皇にメタ差別を撤廃させたり、ロシア政府に働きかけたりと暗躍しつづけている。

アナトリー・キリレンコ
ヒューマン、男性
岩野猿亡き後にユーリからCEOを引き継いだ元ロシア空軍の宇宙飛行士で火星への有人飛行プロジェクトを率い火星に降り立った人物でした。
第六世界版ガガーリン。
イーボがロシアの宇宙開発プロジェクトと蜜月関係にあり火星コロニー建造を速やかに行えた背景には彼の存在があると思われる。
ブラックユーモアを愛するタフな人物であったがシャックポインターである暗殺者ライザーにより暗殺される。

吉田英夫
ヒューマン、男性
イーボ最初期から取締役会に参加し日系メガコーポにイーボを仕立て上げた人物。
ところが柴小路バタカップ連合との戦いの中で送り込んだ社長岩野猿により権限を奪われてしまった人物。
そんなガチガチのヒューマニスであった吉田だが彗星の年にSURGEを発症し主義を変え現在はEVOの理想に従う汎メタヒューマン主義者となっている。

岩野猿
ヒューマン、男性
元々は吉田に送り込まれたヒューマニス社長であったが、長年社長の地位に留まり最後には吉田以上の影響力を身につけていた。
クラッシュ2.0に伴う混乱の責任をとらされ切腹する。

ニュートン・チン
ヒューマン、男性
初期のヤマテツ創設メンバーの一人。
妹がドワーフであるためか早くから忠のメタヒューマン平等思想に共感し忠の腹心として活躍する。
忠亡き後はユーリを指導し見事な経営者に育て上げる。
クラッシュ2.0の混乱の中岩野により暗殺されたと言われている。

ラモン・ディゾン
ヒューマン、男性
ヤマテツ創設者メンバーの一人でフィリピン人取締役の領袖である人物。
彼自身はフィリピンや日本ではなく環太平洋地域全体の繁栄を希求しており、その理想からユーリに協力している。

岩野練
ヒューマン、男性
岩野猿の一人息子でイーボの日本に対する交渉窓口。
イーボが日本に帰還し天皇に近い位置を確保できた背景には彼の卓越した交渉能力によるところが大きい。
ユーリに忠誠を誓っているように見えるが皆から疑われている人物。




シアワセ
企業スローガン:前進する人生
企業順位:6位(2052年)→3位(2061年)→8位(2072年)→5位(2078年)
本社:日本帝国、大阪

主要株主2051年2061年20642072年2078
代表取締役倖貞人倖貞人倖仁美倖仁美倖・嶋田・玲子
社長/CEO倖忠倖忠山名小鈴山名小鈴倖忠
倖貞人13%13%3%0%0%
倖領威10%10%0%0%0%
倖奏子10%10%2%2%0%
倖忠11%11%9%15%20%
倖仁美0%0%13%13%11%
倖・嶋田・玲子0%3%14%13%9%
倖・山名・光子1%1%5%4%0%
山名小鈴0%8%16%17%0%
ナイジェル・コルトラン0%0%4%4%1%
ジェームズ・マンカス0%0%4%0%0%
江守神社0%0%6%6%19%

. シアワセはビッグ10内部でも特殊な企業です。
シアワセは日本で第二次世界大戦前より続く財閥企業だったのです。
その成立は1920年頃なので第一次世界大戦後の戦勝景気にあやかって設立された企業なのでしょう。
第二次世界大戦後の財閥解体により財閥として形は失ったシアワセですが、系列企業群として存続します。結果的にシアワセ一族が株式の80%近くを保持し現在のシアワセの基盤を維持します。
そんなシアワセの内容が明記されるのは1989年となります。
1989年倖江守がシアワセを掌握します。
この江守の指揮下シアワセは着実に勢力を伸ばしていきます。
200年にシアワセは連邦最高裁判所より原子力規制委員会の監視下において原子力発電所の建造許可を手に入れます。
この許可は2月に判決が出て8月には完成していることから内々での決着はすでについていたと思われます。
これによりシアワセは米国でのエネルギー供給の悩みから解放されることになります。
同年12月にテラファーストがシアワセの原子力発電所を襲撃し外部セキュリティが突破されます。これを受けて原子力規制委員会はシアワセには原子力発電所を保持する能力はないと連邦最高裁判所に提訴。シアワセは連邦法によって防衛力の制限を受けていることこそ問題であると反論します。
翌2001年に連邦最高裁判所はまたしてもシアワセに好意的な判決を下し、シアワセは米国において治外法権を獲得します。
これにより治外法権を獲得し世界で初めて現在のメガコーポの地位を獲得します。
後にテラファースト側がこの襲撃をシアワセの陰謀であると主張し提訴を行いますが、法廷に資料を提出する前にテラファーストの拠点が焼け落ちる事件が発生。これによりそもそもシアワセの自作自演であると影の世界では言われています。
この潤沢なエネルギーはシアワセを様々な分野に躍進させる原動力となりました。
2019年に江守が心臓発作で亡くなった際にその後継者たりえるものはいませんでした。

残された一族は覚醒によりもたらされた魔力に願いを託し、江守を氏神として祀ります。神として自分たちを導いてくれることを願ったのです。

2027年シアワセが核融合発電の特許を取得する。
これこそがシアワセの中核技術であり世界最大のエネルギー企業の立場を手に入れた切り札なのです。

その後倖貞人が頭角を表し2033年には代表取締役に就任します。
続いて防諜諜報部署であるMFID(ランナーもここが主に扱います)を設立し今後の情報戦に備えます。
2049年貞人、奏子、領維の三人兄弟の対立は激化し、奏子の婚約者が貞人の謀略により逮捕されます。
2050年、婚約者を逮捕された奏子は貞人と領維に暗殺者を差し向けます。
貞人は難を逃れたものの領維は死亡します。
領維の死によりその株式は唯一の娘玲子に継承されますが、領維の意志はアトランタからきたアルビノの霊媒師ジェリー・ハワードが伝えることで取締役会に留まります。
このハワードの背後にはグレートドラゴンリョナビーがおり不穏な存在ではあります。

数年の間に貞人と奏子の対立は激化しハワードがかろうじてバランスをとる状態が続きます。

2061年山名小鈴が倖光子と結婚し、自らが支配権を持っていた渕凡ヨーロッパの支配権を手土産にシアワセの取締役会に加わります。

2064年、貞人の息子忠は自らの地歩を強化するために娘である仁美と日本帝国の元祐帝との婚約を発表します。

そして、同年更なる転機が訪れます。

シアワセは上場したノバテックに敵対的買収を仕掛けたのです。
この試みは失敗に終わります。
これによりシアワセ株の価値は低下し株式が大量に売買されました。
そして、この時クラッシュ2.0が発生したのです。

そもそもの買収劇は奏子が玲子との同盟関係を結ぶために仕掛けたものでした。
玲子は領維の意志を排除し自らの保有する権限の行使を求めていたのです。
買収とその失敗の混乱により領維の霊媒師であるハワードを殺害し、奏子は玲子の支援で取締役会を掌握するつもりでいました。
ところが暗躍していたのは奏子だけではありませんでした。

この年日本帝国皇后になった仁美は渕より移ってきた山名と協力し株式の不正操作を仕掛けます。
この際にシアワセのマトリックスセキュリティーを担うベクターマトリックスの責任者であるコルトラン(彼も渕より来た山名子飼いの人物です)の協力もあり事態はたやすく進みます。
さながらかつてアレスのダミアン・ナイトの行ったナノセコンド買収のようでした。

このような事態を知らぬ奏子はクラッシュ2.0の対策を協議する取締役会で公開投票を実施させます。

結果最大勢力となっていた仁美、玲子、山名により代表取締役が仁美となり、彼女により山名がCEOに任命されます。
更にMFIDの責任者を忠子飼いの清元から共にクーデターを行ったコルトランにすげ替えます。

2065年、敗北に耐えられなかった貞人は切腹します。
忠と奏子は倖性の持ち主として取締役会に留まります。

山名はこれまでのシアワセの年功序列システムを変更するために動きます。
これは渕の運営方法でとありますがシアワセだけは年功序列を保持していたと言うイメージでしょうか。
後、山名は遺伝子療法により30代中盤の外見を保持しており、これを穢れと見なす年長者や外見から山名に従うことを良しとしない相手への対策とあります。
やはり、アメリカでは日本企業と言えば年功序列なのでしょうか。

また、切腹した貞人は自らの株式を息子の忠と神社に送ります。
倖一族が代々経営してきたシアワセが部外者である山名の手に委ねることは中興の祖である江守の考えに反するとし江守神社(明記なし、テキスト上は神官団とある)に与え取締役会に助言するように遺言します。

元祐帝の後援者である神道教会と密接な繋がりのある仁美はこれを断れず受け入れることになります。
この辺りは神道がカトリック並みに組織されていて頂点に天皇が君臨しているイメージでいるのかなーという違和感はありますね。
まあフィクションなので。

2074年、10年近くシアワセを掌握してきた山名がCEOを退任すると宣言します。
山名はこれ以降妻の光子と新しい家庭を築くと言うのです。
そもそも光子は山名に引退をしてもらい二人の生活を求めており、これに動かされた形のようです。
そして、自らの株式は倖一族と江守神社に売却します。
更に時を同じくして奏子が亡くなります。
彼女の遺言により彼女の株式は姪の玲子と大姪の仁美、甥の忠、江守神社に継承されます。
この結果CEOは忠に、代表取締役は玲子が就任します。
とは言え、玲子仁美の同盟関係は維持されており忠に対しては共同して対応しています。
更に仁美には一般株主の絶大な支持があるため単純な持ち株数以上の影響力を保持しています。
この政変によりMFIDの責任者がコルトランから清元に変更されます。
清元と玲子の間には強い繋がりがありこれに由来するもののようです。
しかし、MFIDはネオネットのドーキンググループとの絶え間ない闘争のため予算人員ともに25%以上増額されており、すでに個人の裁量でまわせる規模を超えています。

全体的に忠誠心の在り方の激動から切腹する社員が25%以上増加したことこそ問題かもしれません。

この仁美の代表取締役退任について表向きには産後の母子の健康を守るため(仁美はこの年第2子を出産しています)との名目になっています。
しかし、日本帝国のマトリックスサービスやセキュリティーサービスがシアワセから切り替えられたことを考えると政変と呼ぶのが正しいのでしょう。

また、奏子の死により株式を増大させた江守神社の存在も無視できません。
すでに忠に次ぐ株式を掌握し、今生帝の覚えめでたい神道組織は脅威と言っても過言ではありません。
特に現在の責任者である木村直彦は”個人的に”忠と玲子が伝統的ではないと批判しても許される立場にある人物です。
彼は環境主義を取り、原子力よりも太陽発電を推進しています。
更にCFDを魂の死であると考えており、神への冒涜であると主張しています。
このためナノテク、遺伝子療法部門へのしわ寄せが来ています。

さて、恒例のシアワセの特殊部隊解説に移りましょう。

MFID
倖忠の腹心である清元により設立された防諜諜報部署。
表向きの経済情報から影の情報まで全てを収集整理しシアワセの株価に対して良い影響を与えるように働きかける。
この働きかけには真っ当なものから特殊部隊やランナーチームを動かすことまで多岐に渡ります。
清元はMFIDの責任者を引退後、顧問としてMFIDの運営を手伝いながら幸せ一族内部の防諜ユニットの責任者を務めていました。

2074年の政変によりコルトランはシアワセシムセンススタジオのジュニアエグゼクティブに左遷されます。
清元が再びMFIDの責任者に返り咲きますが、コルトランは清元が数年で引退すると見ています。

MFIDはホライゾンのドーキンズグループとの対立激化により25%の予算および人員を増加しています。
現在清元がMFIDの責任者を務めていますがシアワセ全体から見ると個人により運営できる規模を越えており早急な組織改編が必要な状態です。
ところが伝統を重んじる忠により清元のポストは維持されています。
この結果実質的にMFIDは後藤京、阪本政則、西村蓮の3名が運営しています。

清元はMFIDのポストを離れた後シアワセから独立して天神情報サービスを設立させ、すでにAクラスメガコーポとなっている。
この企業には玲子の計らいでベクターマトリックスサービスが売却されている。

神の武士
要人警護に特化した特殊部隊。
メンバーは純白の武者鎧にカスタマイズしたミリグレードアーマーに身を包む。
ライバルであるレンラクのレッドサムライに対応してデザインされたと思われるが今では忘れられた存在となっている。

神職統括部
こちらが貞人により強化された取締役会にも席を置く江守神社(仮)です。
この管理下の神職が様々な部署に送り込まれ日々の祀りを行います。
トップは儀式主任である郡司(クニノミヤツコ)です。
各地の神職の責任者は宮司と呼ばれ、助手の神官が禰宜と呼ばれます。
多くの宮司と禰宜はマンデインですが、覚醒者はハフリと呼ばれるセキュリティーシャーマンとセキュリティーアドバイザーを兼ねた特殊な地位につくものもいます。
そして、巫女。巫女は神社の乙女であり日々の雑用をこなします。その雑用にはカウンセリングや霊媒、占いなども含まれます。巫女はおみくじを管轄しており、第六世界ではARが主流です。
シアワセの社員は毎日おみくじを引きその内容を気にします。
このためにハッカーがおみくじの内容を死や裏切りなどに改ざんした結果警備員が気に病みセキュリティーがボロボロになった逸話があります。

ネオ玄洋社
MFIDの責任者である清元が設立した秘密組織である攻性の組織。
潜入破壊工作に秀でたメンバーを擁する。
19世紀から20世紀に成立した国際的秘密結社
玄洋社の流れを汲む組織である。
ジェームズ・マンクスやジェリー・ハワードに死をもたらした組織であり、シアワセの株式に悪影響を与える相手に力を行使するMFIDの実働部隊とども言う組織。
2075年の政変により解散を命じられるが実質的な組織は存続し、清元の後任である3人のリーダーの指示で動いている。
このような状態に不満を感じ本来の玄洋社の立場に戻る傾向がある。

主要取締役

倖江守(エモリ・シアワセ)
シアワセの中興の祖であり江守神社の祭神。
神名や実際に力を振るうかは不明。

倖貞人(サダト・シアワセ)
シアワセアトミックのマネージャーからシアワセのトップに登りつめた人物。
カリスマ的な指導者であり対諜報部署であるMFIDを成立させた先見の明のある人物であった。
2064年に孫娘にシアワセを乗っ取られ、切腹する。

倖領威(リョウイ・シアワセ)
貞人の弟であり、2040年に死亡した人物。
霊媒師のジェリー・ハワードが口寄せにより取締役会に参加し続ける。
クラッシュ2.0のどさくさでハワードが暗殺され完全に退陣する。

倖奏子(ソウコ・シアワセ)
貞人の妹。
婚約者が貞人の謀略により逮捕されたため貞人と領威を爆殺しようとした人物。
領威はこれにより死亡している。
クラッシュ2.0前夜に玲子と組んでシアワセの掌握に乗り出すが仁美に裏をかかれ失敗。
2074年に失意のうちに大往生を遂げる。

倖忠(タダシ・シアワセ)
貞人の息子であり長年シアワセのCEOを勤めてきた人物。
利己的で冷徹な人物で権勢欲のために生きていると見られている。
反面娘の仁美を大切に思っているが、そのすれ違いはすでに修復不能な域に達している。

倖仁美(ヒトミ・シアワセ)
日本帝国の皇后にして忠の娘。
テクノマンサーであり、かつてはマトリックスギャング指揮していた。
忠とは10代の頃に自分をHMMVVワクチンの実験台にしたと信じており強い確執がある。
以下、略年賦。

2043年
仁美はシアワセのCEO忠の娘として生まれる。

2059年
仁美が熱狂的なファンであるブラックマジックオーケストラのライブに参加するためにソウルに向かう。
ライブ終了後恋人であると仁美が信じているブラックマジックオーケストラのリードボーカルの“バンパイアアイドル”シナナイの部屋に向かう。
仁美はシナナイに太ももから血を吸われ失血死寸前のところでランナーチームにより救出される。
これにより仁美はHMMVに感染する。

忠は実験中のHMMVワクチンを仁美に投与する。仁美はHMMVへの感染が顕在化することはなかったが、シナナイによると潜在的な感染者になっている状態らしい。

この事件の背景には忠とシナナイの間で何らかの契約があり、それを元に脅迫された忠はシナナイにHMMVワクチンを提供する。
仁美は偶然にもこの会話を盗聴し忠により記憶を消される。

2060年 17歳
体調が復調した仁美はシナナイの痕跡を求めてシアトルRTGにアクセス中謎のシャットダウンに巻き込まれる。
これは第一世代AIミラージュを危険視したノバテックの警備責任者マイルズ・ラニアーが送り込んだ自壊型ウイルスによるもの。
仁美はミラージュを救う戦いの中でオタクとしての能力を得る。
そして、この過程で記憶を取り戻し家族と心理的に決別し、家族に代わる新たなる人間関係を他のオタク達と築いていく。
(psychotolnps)

2059年~2061年
レンラクアーコロジーシャットダウン中。

2061年、18歳
MIT&Mに入学
マトリックスギャングボクス・ポプリ(Vox populi)を組織する。
(Corporate download&Shadow of Asia)
確証は無いが昨年にオタクとして覚醒し、他のオタクと親交を深めたことを考えるとオタク部族かミラージュの子供達がメンバーなのではないかと思われる。

2062年
リングオブファイヤにより継日天皇が崩御し、泰仁親王が即位する。
日本帝国の年号が継日から元祐となる。
シアワセのCEOである忠は仁美と元祐帝の婚約を発表する。(Year of the comet)

2063年
デウス配下のオタク部隊ホワイトにより仁美はMIT&Mのキャンパスから誘拐される。
これはデウスが自身を裏切ったバックスの仕業に見せかけて行った。
仁美は12時間にわたり監禁される。
恐らくシアワセの特殊部隊により救出される。
(System failure)

2064年
元祐帝(14歳)と仁美(21歳)が伊勢神宮で結婚式を行う。
この式には竜冥の代理人である石野あかね(元アイドル)を仁美が招待する。あかねは引退後初めて公の場で歌声を披露する。
これにより仁美は自らの影響力を示し日本帝国で現人神の一柱と扱われている竜冥のお墨付きを受けたものとして扱われる。(Shadow of Asia)

山名、仁美、奏子によるシアワセの乗っ取りが実施され、CEOは忠から山名に代表取締役は貞人から仁美に引き継がれる。(System failure)

2070年
JISで子供のテクノマンサー能力テスト実施に合わせて仁美皇后肝いりでテクノマンサーのための国立学院を成立する。

2072年
仁美が日本帝国皇太子となる朝香宮成仁殿下(アサカノミヤナシヒトデンカ)を出産する。
(Six world almanac)

2074年
第二子として桜皇女を出産する。
しかし、彼女はヴァンパイアとの噂もある。
(Storm front)
桜皇女がバンパイアであったために現在は二条城に幽閉されており、皇居には替え玉が養育されているという噂もある。(Power Plays)

同年
シアワセの代表取締役を退任。
表向きには自身と桜皇女の体調のためと説明される。

倖嶋田玲子(レイコ・シマダ・シアワセ)
領威の娘であり、領威の死後株式を継承しながら実権を振るえなかった人物。
この不満は貞人、忠、領威の三人に阻まれていましたが奏子の誘いに乗りクーデターを実施。
結果的に奏子と仁美をうまく操り悲願のシアワセの取締役に参入する。
奏子亡き後にはシアワセの代表取締役となる。
夫の嶋田はベクターマトリックスサービスヨーロッパの中堅管理職であることから仁美のクーデターに積極的に関係していた可能性もあります。

2036年生まれ、仁美の7つ年上。

山名小鈴(コリン・ヤマナ)
渕凡ヨーロッパを手土産にシアワセ一族の光子と結婚しシアワセの取締役に加わる。
その後仁美と共謀しシアワセのCEOに就任する。
10年近くCEOを勤め上げた後、妻光子と新たなる倖を求めて引退すると表明する。
当座は夫婦水入らずで世界一周旅行に出るらしい。
この旅行中にハワイ王国で巨大なサメに襲われて命を失う。

倖・山名・光子(ミツコ・ヤマナ・シアワセ)
元シアワセエンバイロメントフィリピンの責任者を務め、反日活動家や海賊からシアワセの資産を守り抜いてきた人物。
奏子の娘であり母親を敬愛しシアワセ全体よりも母を優先する人物だった。
山名と結婚後は表向きのポストは降りている。
山名との結婚は政略結婚であり情実よりも金に絡むものですが元々山名の実力には経緯を払っていた様子。
その後敬愛が愛情に変わったのか新しい謀略なのかは不明ですが、山名とはうまくやっている様子。
爬虫類や蛇が好きで、山名から結婚祝いにレンラクが特殊開発したパラクリッターの蛇(ランナーが盗み出した)を送られている。
山名の亡き後その遺産を用いてアレスの株式を買収。アレスの取締役の1人となる。

ナイジェル・コルトラン
元渕系のベクターマトリックスセキュリティーサービスの元責任者。
山名、仁美と共にクーデターに参加し取締役の1人となる。
その後MFIDの責任者を務めるが山名退任後、コルトランはシアワセシムセンススタジオのジュニアエグゼクティブに左遷されます。
清元が再びMFIDの責任者に返り咲きますが、コルトランは清元が数年で引退すると見ています。

ジェームズ・マンカス
シアワセ株式の不正操作の結果シアワセ株式の4%を手に入れた人物。
それまではスタッファージャックの店員をしていた。
恐らく仁美や忠を両天秤にかけた株式売却交渉を仕掛けネオ幻幽社により暗殺される。

ローナヴィー
イギリスに住むグレートドラゴン。
様々なメガコーポの株式を手にしている経済ドラゴンで少なくともシアワセの株式の8%を獲得していると言われています。
この直接掌握している株式以外にもジェリー・ハワードを影から操ったり、江守神社に影響力を持っていたりとシアワセとしてはなかなかに頭の痛いドラゴンである様子。




アズテクノロジー
企業スローガン:より良い明日への道
企業順位:8位(2052年)→2位(2061年)→4位(2072年)→4位(2075年)→4位(2078年)
本社:テノチトラン(旧メキシコシティ)、アズトラン
社長/CEO:ジョアン・アツァカポツァルコ(2015年~2064年)
フラビア・デ・ラ・ロサ(2064年~)
取締役:不明

アズテクノロジーは傘下におさめた企業のブランド力と自主性を重んじる方針を取っています。
子会社はその企業の取締役会で方針を決め、それをアズテクノロジーの地区担当副社長に報告します。
これに対してアズテクノロジーが必要だと判断すれば人材や資金、物資を惜しみなく投入し計画を推進します。
そして、全体的なPR(総合力のアズテク!)ではなく部分的なPR(新製品はカロリー半分!)により誰もがわかりやすく周知されやすいPR戦略を取ります。
恐らく不祥事があればその子会社に責任を被せ倒産させることも含めての戦略であると思われます。
反面、アステカ文化を後ろ盾に鮮血魔法を行使し、真剣に世界征服を希求する企業でもあります。

アズテクノロジーの最初を定義するのは難しいですが母体となった会社法人が成立された時期はわかっています。
2007年に複数の麻薬カルテルが合同で資源開発会社を買収しOROコーポレーションと改名しました。
このOROと言う名前は設立に関係した麻薬カルテルのうち最大の組織3つのリーダー、オルテガ、ラモス、オーリッツ、の頭文字から取られました。
表向きにはスペイン語の黄金から取ったことになっています。
翌年パナマ沿岸で大規模なモリブデン鉱床が発見され、その場所の優先採掘権はOROが保持していました。これにより独占的な採掘を行ったOROは一躍工業界のメジャーリーグに躍進します。
更に麻薬からの利益も合わせて様々な企業買収に着手し投資銀行、食料品、バイオテック、汎用消耗品などの業界に参入します。
翌年この資金を元にOROは中央および南部アメリカの政府の支配権を買い取ります。
そしてソフトウェアの著作権にまつわる法律を大幅に改変し海賊版ソフトウェアを合法的に取り扱える環境を整えます。
そして、2010年のVITASにより壊滅的な打撃を受けたメキシコ政府をOROは人道的支援を表明します。
そして、2011年にOROはマトリックスベースの投票システムを開発しメキシコ政府に導入します。
これは実質的なOROによるメキシコ政府の支配権の獲得であり、2015年にOROの傀儡として立ち上がったアザチアン党の総裁であるフランシスコ・パボンは大統領とになり、国名をアズトランに改名します。
このアザチアン党はメソアメリカ固有文化であるアステカ文化の復興とそれによる搾取されるメソアメリカではなく強く誇り高いメソアメリカをうたい支持層を広げたようです。
これに合わせてOROが支配していた国家を併合しアズトランは拡張します。
2022年にOROはアズテクノロジーに改名し新たな組織としてのイメージアップキャンペーンを展開し成功します。
2044年にアズトランはアズテクノロジーの指示により国内企業の国有化を宣言します。
これに対抗し企業法廷は2048年にオメガオーダーを発動しアズテクノロジーのエンセナダ工場を破壊します。
これにより譲歩したアズトランは国内に設置する企業はアズトラン市民所有かアズトランの企業が所有するとすることで各メガコーボはアジーとの合弁子会社化しなければアズトランに進出できなくなります。
2050年にアズトラン兵がカンペチャ近郊で市民を殺戮したことによりユカタン半島全域にくすぶっていた不満が爆発し内戦に発展します。
アマゾニアの支援を受けた解放軍はゲリラ戦を展開し、アズトランは愚直に兵力と最新鋭の兵器を投入します。
この内戦は当然のように泥沼化していきます。
2062年震災により統治能力を失ったカリフォルニア自由州のロサンゼルスを狙い軍事行動を展開しますが、ロサンゼルスがプエプロ企業評議会に助けを求めたことにより阻止されます。
更にプエプロ企業評議会は評議会内部での販売ライセンスを停止します。これを企業法廷は追認しプエプロ企業評議会内部でのアズテクノロジーの活動は制限を受けます。
その年のクリスマスにグレートドラゴンゴーストウォーカーがデンバーに飛来しアズテクノロジーの施設を壊滅し、その地区をCASに付与します。
更にユカタン半島を中心に地震と津波により大損害を受け、更に汚染精霊の大発生を誘発します。これによりアズテクノロジーは正規軍を国内対策にまわさざるを得なくなります。
2064年、アズトランはユカタンの過激派弾圧に乗り出しますが反撃によりCEOであるジュアン・アズカッピオが爆殺されます。
この事件はユカタン平和サミットの最中に行われジュアンと共にケツアルコアトルの巫女が殺害されます。この巫女はアズテクノロジーの株主でもあるフェザードサーペントズバルチェンと同じ人物と考えられています。
更に2065年ロサンゼルスのホライゾンがビッグ10に入りアズテクノロジーと激しい競合を繰り広げています。
アズトランは南進を阻むアマゾニアに対して圧力を強め開戦に持ち込みます。この戦争は3年に渡り行われ最終的にはアズトランがアマゾニアに勝利しボゴタ割譲と言う形で決着します。
ですが、ボゴタ内部には無数の反アズトラン勢力(アマゾニア、キリスト教カトリック、ドラコ財団など)を内包しており、この結末がどちらにとってメリットを生むのかはまだわかりません。
更にこの戦争による被害も甚大です。アマゾニアの三大幹部の一人であるフェザードサーペント“破壊者”シルルグの襲撃により無数の工場が破壊されました。更にリソースを取られたアズテクノロジーは世界への食糧供給量が低下し複数の食糧危機の原因となります。
これは世界の食を支えるというアズテクノロジーのイメージに大打撃を与えています。
ところがアズテクノロジーはこれを流用し飢えたアズトランの子供をPR活動に使い加害者から被害者の立場に転じました。
更に2073年頃からのアーティファクトラッシュでは無数のアーティファクトを入手しメタプレーン探索に力を入れています。

それでは、最後にアズテクノロジーの精鋭部隊についてご案内しましょう。
国外に配置された精鋭部隊がレオパルドガードと呼ばれており、国内に配置されているものがジャガーガードと組織が分かれています。
ともにアステカの戦士の様式を継承しており、対象は生贄に捧げるために可能な限り捕獲をしようとします。
その多くは高イニシエテーションのアデプトであり、そのほかのメンバーも高度な身体改造や魔法の強化を受けています。
ジャガーガードには複数のサイバーゾンビが配備されています。
取締役
アズテクノロジーは私企業であるため取締役の詳細は公開されておらず推測に基づく情報です。
また、アズテクノロジーは企業法廷の判事に取締役を送り込んでいると主張しています。
また、アステカ教の太陽の道に従う巫女も取締役と言われていますが、以下のメンバーの誰かなのか他にいるのかは不明です。立場的にはチャベズか全身にルーン文字を刻んだケツアルコアトルの巫女ルケア、フェザードサーペントのズバルチェンかとは思うのですが。

オスキュロ
2057年頃に突然退場した謎の人物。
実際には取締役ではなく社内の立場はジュアンの個人的な部下ながら実質的にアズテクノロジーを動かしていた人物です。
異世界からの侵略者であるテラーの大規模侵略を狙っていましたがダンケルザーンの直弟子であるライアン・マーキュリーにより打ち破られました。

トーマス・ロクスボルグ
企業買収屋。
免疫疾患により免疫系が自身の細胞を攻撃するという病気であり特殊なセラピー用の水槽内部でしか生きることができません。
この治療によりイギリスからユニバーサルオムニテック所属のヒューストンメディカルセンターに移ります。
このためにユニバーサルオムニテックの株主となったと思われます。
ところが、2065年頃にロクスボルグは他の取締役とのいざこざからアズテクノロジーの株式を吐き出し取締役を降ります。
詳細は不明ですが、ユニバーサルオムニテックの研究責任者で行方不明になったクリスティン・マーティン(KAM)がアズテクノロジーとユニバーサルオムニテックで行われていた倫理規定に反する生物兵器の開発に反発し出奔するために巻き込まれたのではないかと思われます。
マーティンはロクスボルグと一時結婚していたようですが、これが恋愛関係なのか、マーティンの謀略なのかは不明です。
ロクスボルグの肉体はヒューストンからテキサス(アズテク)に移り、最終的に現在は軌道上に離脱します。
そんな状況であっても彼はマトリックスベースで経済に関わり続けています。

ドミンゴ・チャベズ
長年アズテクノロジーのチーフオペーレティングオフィサー(COO)を務めてきた人物。
ORO成立の3大カルテルの1つのリーダージュアン・オルテガのボディガードを努めていた人物でもある。
2063年から2059年まで企業法廷の判事を務めており、オスキュロ亡き後の権力の空白を利用してのし上がった人物。
鮮血の儀式に用いる対象を集める担当でもある。
彼自身がメイジであり1990年生まれであり年齢は80歳を越えていますが、何らかの手段により40歳程度の外見を保持しています。

アンナ・ヴィラロボス
2059年にヴィラロボスはチャベズの後任でとなった企業法廷の判事です。
彼女はチャベズにより選定された人物であり取締役会内部での影響力は限られています。
2075年ごろ企業法廷の判事を退任しています。
特別な失策などがあったわけではないようですが、超能力様式の魔法使いであることが影響を及ぼしたのかもしれません。

“ディング”ドミンゴ・ラモス
OROのR由来になったジュリオ・ラモスの息子で覚醒前に生まれたエルフ。
生まれながらの犯罪王でありパナマの豪邸(ダンジョンと動物園がある)に住む。
旅を愛しいつも様々な金持ちと密林に潜っています。
OROの母体となった麻薬カルテルの1つであるダビッドカルテルを社内犯罪組織として運用しており、その責任者でもあります。
この勢力はテンポの取り扱いにより壊滅した南米のオラヤカルテルの縄張りを奪い拡張しています。

ツルナガ・シノヤマ
2051年に渕からアズテクノロジーに移籍し、一般消耗品の流行を読み操作する手腕によりのし上がった人物です。
現在は情報統括官(CIO)の立場にあります。
彼は他の取締役の子飼いで株式の一部を手に入れることで現在は食糧供給部門も管理しています。
レンラクに移った中臣とは渕時代から確執がある様子。
ところが2070年代にCFDにかかり現役を引退する。

オリバー・マッククルー
ダンケルザーンの遺言によりアズテクノロジーの株式を手に入れた人物です。
ケベック共和国のビジネスマンであり他の取締役からの暗殺や買収にも応じず誠実に取締役会にも参加し活動しています。
ドラコ財団と繋がりがありアズテクノロジーの鮮血魔法について探るのが目的ではないかとも言われています。

モンテチュズマ
個人のように機能している何らかの組織のようですが詳細は不明です。
自由精霊であるとの噂もあります。
アズテクノロジーの鮮血魔法を統括しておりチャベズと対立していると言われています。

JJハービンジュニア
マイアミにあるガンダーソンコーポレーションのCEOで危機管理を担当しています。
元々は自身の保持していたアトランタ警備をアズテクノロジーに売却し株式と取締役の席を得ました。この株式は死んだズバルチェンが保持していたものではないかと考えられています。

ネカリ・ゾロトル
ヴィラロボスの後任として企業法廷の判事となった人物。
ロサの代弁者として企業法廷内部でのCFDに関係する責任追及をやり過ごす立場にあります。

マリソル・デオキャンプ
アズテクノロジーのデンバー復帰に尽力したミセスジョンソン。
オーク女性でゴーストウォーカーを動かしたことからデンバーの影の世界で強く意識されている人物でもあります。

ドラゴン
取締役会にウエスタンドラゴンが1人いると昔から言われていますが詳細は不明です。

ジョアン・アツァカポツァルコ
アズテクノロジーのCEOでありアズトランの大統領。
17年前にその地位について以来取締役会の傀儡として仕事をこなしアズテクノロジーの看板として機能しています。
しかし、10年近く公の場所に姿を現しておらず国際的なトリッドへの出演は皆無です。
ダンケルザーンの遺言により小箱を贈られており次の死者の日に開かれるよう指示されました。ジュアンはその日ドラコ財団を訪れ箱を開き理事長のナジャ・ダビアーに感謝して立ち去り失踪しました。いまだに見つかっていませんが書類上は社長のままです。
反面ジュアン自体はすでに死亡しており取締役会が名前を利用しているとも噂されています。
2064年にテロにより死亡しました。

フラビア・デ・ラ・ロサ
2064年からジュアンの後任の社長でありアズトランの大統領を務める女性。
チャベズやマッククルーとの同盟関係を築くことで影響力を増大し、最近のアマゾニア戦争やデンバーでの地位奪還の陣頭指揮を取ってきました。
これにより単なる傀儡ではない評価を得ています。
間違いなく生きた人間であり単なる傀儡ではなくアジーを運営しているようです。




ゼーダークルップ

企業スローガン:一歩先へ
企業順位:1 位(2052年,2061年,2072年,2075年)→2位(2078年,2080年)
本社:ドイツ同盟、エッセン
社長/CEO/主要株主:ロフヴィル

ゼーダークルップの物語は2010年から始まります。
当時、BMWの若き取締役の地位を手に入れたたミカエル・ベルイットは混迷を極めるヨーロッパを牽引できる強力な存在を育て上げようと決意します。
このためにミカエルはゼーダームニティオンとティセンクルップ、ファティマケミカルが合併してできた企業ゼーダークルップにBMWを組み込むことでヨーロッパを筆頭にアフリカや中東にまで影響力を広げます。
ところが2032年ミカエルが不審な死を遂げた後妻のウイヘルミナ・グラフ・ベルイットがゼーダークルップを掌握し敵対的な人物の粛清を進めます。
そして、2037年グレートドラゴンのロフヴィルが突然舞台に現れます。
ロフヴィルは20年間様々な企業を経営しノウハウを蓄積してきました。
これらの企業を通して密かにゼーダークルップの株式を買い集めていました。これにより63%の株式を手中に収めたロフヴィルは株主総会を実施し自ら社長の座につきます。
そして、怒りと復讐に燃えるウイヘルミナはチューリッヒ軌道銀行に永遠のバカンスに送り込み影響力を削ぎます。
その後ロフヴィルはヨーロッパ、ロシア、中東の戦乱にうまく関わることで間接的に影響力を増大させていきました。
この影響力を利用してヨーロッパやロシアの国営宇宙研究所の買収やスイス銀行の買収により確実に地歩を築いてゆきます。
そして、世界の転機たるクラッシュ2.0においてゼーダークルップは類い希なる成功を納めます。
クラッシュ1.0の壊滅的な打撃の反省を生かしゼーダークルップではフェイルセイフシステムを導入しており、これによりかろうじてシステムのシャットダウンに成功します。
この被害がないという余裕を生かし更に買収を進めていきます。
また、ゼーダークルップは銀行業により貸付をすることで様々なメガコーポの情報を獲得し的確に関係を構築してきました。
このようにロフヴィルの頭脳と長い展望により確実に成長を続けてきたゼーダークルップですが転機が訪れます。
古代よりロフヴィルと対立してきた弟、グレートドラゴンのアラメイズ。
人類は家畜であるとする主張。
アマゾニアとアズトロン双方に別れ争うグレートドラゴン。
そう、これまでゼーダークルップを的確に牽引してきたドラゴンであることが牙を向いたのです。

2073年頃からアマゾニアに所属するグレートドラゴン、シルルグがアズトロンの都市に対して大規模な攻撃を仕掛けます。
これにより対竜感情が大幅に悪化しゼーダークルップの業績を直撃します。

更にグレートドラゴンのアラメイズやヘスタビーとの闘争にリソースを取られたロフヴィルはゼーダークルップの管理がおろそかになり損害の回復にいたりません。
結果的にゼーダークルップの影響力は弱まります。

2075年にドラゴンの責任者の立場を降りたロフヴィルは再びゼーダークルップの最適化に邁進し続けています。

さて、堅実経営なゼーダークルップですが特殊部隊はあります。
1つはスケール(鱗)と呼ばれる部隊でドレイクによって構成されていると言われています。
噂ではスケールのドレイクには赤竜動乱においてロフヴィルが討ち取ったドラゴンの牙を加工して造った暗殺用の短剣を与えていると言われています。

ロフヴィル
第六世界で最も年長で、最も強力で、最も富裕な黄金の鱗持つグレートドラゴン。
その果断なる経営戦略や攻撃的な性質、取締役会での強い命令は社員の恐怖の対象ですが、これによりライバルの一歩先を進んでいるのは間違いありません。
他のグレートドラゴンと異なりメタヒューマンの声(代理人)をおかず基本的にゼーダークルップの広報を通してメタヒューマンの姿で話します。
また、ゼーダークルップの支配域内であればメタヒューマンの姿で活動するようです。
更に必要と判断すればゼーダークルップのミスタージョンソン、ハンス・ブラックハウスの姿で現場に姿を現し自らランナーを雇ったりもします。

また、あまりにも有名すぎるジョークとしてゼーダークルップの社員はへまをすると社員のランチに食材として招待されると言うものがあります。
ロフヴィルにとって人類とは有用な家畜であるようです。このために不要な家畜を優遇することはありませんが、わざわざ食べる手間は取らないようです。
もちろんドラゴンの中にはメタヒューマンを好んで喰らう者もいますが、ロフヴィルにとってはそれも嗜好の1つと考えているようです。

最後にロフヴィルのスタイルを現す彼の言葉を記載してぁきます。
「私が目的に決着をつけるために表立って交渉や戦いに動くとき、すでに勝利しているときなのだ」


参考文献

また、主な参考文献は以下となります。

Shadowrun: Corporate Shadowfiles
シャドウラン2版時代の企業サプリ。
ビッグ8、企業法廷、企業戦争についての解説などがある。
当時のビッグ8はアズテク、アレス、渕、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、ヤマテツ

Shadowrun: Blood in the Boardroom
2版から3版に上がる際の企業闘争を扱ったキャンペーンサプリ。
渕内乱、クロス成立、五行成立、レンラクシャットダウン前日譚などがキャンペーンプロット形式である。
あわせて、各社の歴史も解説されている。

Shadowrun: Corporate Download
3版時代の企業サプリ。
ビッグ10、企業法廷、各社特殊部隊などの解説がある。
当時のビッグ10はアズテク、アレス、ノバテック、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、ヤマテツ、五行公司、クロス応用技術

Shadowrun: System Failure
3版時代の総まとめサプリで主にメガAIデウスがクラッシュ2.0を起こすまでの経緯などを解説したサプリ。
ウインターミュートの構成員データは素敵です。
クラッシュ2.0の影響で政変の起きたシアワセや、CEOを失ったクロスについての解説が行われています。

Shadowrun: Corporate Guide
4版時代の企業紹介サプリ。
ビッグ10、企業法廷、とある社員の日常、AAコーポの紹介などがある。
当時のビッグ10はアズテク、アレス、ネオネット、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、EVO、五行公司、ホライゾン

Shadowrun: Corporate Intrigue
4版時代の企業の陰謀にまつわるキャンペーンフックを扱ったサプリ。
CFDと深い関係にあるプロジェクトイマーゴに関しての紹介やアレスの不良バトルライフルエクスカリバー騒動が大事になった原因のシナリオなどがある。

Shadowrun: Montreal 2074
クロス崩壊後のケベック共和国とモントリオールを扱ったサプリ。
フォールンの解説などはここにある。

Shadowrun: Storm Front
4版時代の総まとめサプリでこれまでのキャンペーンの経緯や結果、そして現在が書かれてれている。
この中でアレスエクスカリバーライフルの不良問題のその後や仁美皇后の出産と山名引退に待つわる政変、レンラクやミツハマの動向などが解説されている

Shadowrun: Market Panic
5版時代の企業紹介サプリ。
ビッグ10、企業法廷、の紹介などがある。
とはいえキャンペンブックと言う扱いのため、これまでからどう変化しどのような事件に巻き込まれるかを紹介したサプリに近い
当時のビッグ10はアズテク、アレス、ネオネット、レンラク、ミツハマ、ゼーダークルップ、シアワセ、EVO、五行公司、ホライゾン

Shadowrun: Dark Terrors
5版時代の世界の脅威のアップデートを扱ったサプリ。
この中でネオネットの解散とスピンラッドへの企業法廷議席移譲にまつわる話がある。


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